「テレビ局のナカイさん」
彼の名前はナカイマサヒロ。
風にさらりとなびく茶色の髪。
色素の薄さで琥珀色に見える宝石のような瞳。
はっきり言って、かなりの美青年だ。
彼はいつものように、バラエティー番組の収録のために某テレビ局のスタジオに向かって歩いていた。
すると、目の前をこちらに向って歩いてくる人影があった。
彼の名前はキムラタクヤ。いわずと知れた「日本一の男」だ。
キムラは、ナカイの前まで来るとピタリと足を止める。
「オマエおせーんだよ!!ナニやってたんだよ!?」
「あ!?うるせぇよ。お前にかんけーねぇだろ?」
ナカイは、悪びれる様子も無くポツリと言い返す。
「おい!テメ・・・待てよ!おい!待てって!!」
キムラは、慌てて後を追いかけて来る。
ナカイは振り向きもせず、さっさと歩いて行こうとする。
「何で無視すんだよ!!お前、オレのこと嫌いなのかよ!!」
さっさとスタジオのドアに手をかけようとした瞬間、キレたキムラは
その背中に向って怒鳴りつけた。
ナカイは、不機嫌な顔で振り返ると、表情を変えずに言った。
「何言ってんだよ。俺がタクヤをきらうわけねぇだろ?」
ドスッ!!
タクヤの膝が、ナカイのみぞおち辺りにヒットする。
そうしながら、また怒鳴りつけた。
「お前よくもオレに心配させやがったな!!
オレがお前に嫌われたと思ってどんだけ悲しかったか知ってんのか!?
えぇ!?」
「・・・てーな・・・。おめ、もっと自分に自身持てよ。」
ナカイは、方眉を動かしながら言った。
「バーカ」
その場で不意にキムラを抱きしめると、すぐに解放し、
今度こそ本当にスタジオのドアノブに手をかけさっさと入って行った。
「うるせーよ・・・」
照れくさそうに言った。
しかし、タクヤは気付かなかった。
ナカイが、誰にも聞こえないような声で呟いた言葉に。
「俺がお前を嫌いなわけねぇだろ。本当は、俺の方が不安だったんだぜ・・・」
その日は結局、ほとんどナカイの顔を見ることができないまま、
一日が終わってしまった。
次の日、キムラの携帯が鳴った。めったに鳴らないメロディー。
キムラは慌ててテーブルから携帯を取ると、通話ボタンを押した。
「ナカイっ!?」
「よぉ。」
電話の向こうからは、予想通りのハスキーボイス。
「昨日は悪かったな・・・誤解させて・・・。それでさ・・・もし
よかったら、今からオレと会ってくれないか?
無理にとは言わないから。じゃあな。」
そういって、電話はすぐに切れてしまった。
「・・・・・行くとするか。」
誰に言うともなく呟くと、机の上の鍵をひつかんで家を出た。
そのまま、待ち合わせ場所へ向って歩いていくと、
ナカイはすでに来ていた。
備え付けの灰皿には無数の吸殻。
これから2箱目のタバコをあけようかと言う所だった。
「・・・・・よう。わりぃ。ちょい遅くなった。」
それでもナカイは無表情で返す。「遅ぇよ・・・。」
「・・・ゴメン・・・。」
「いちいち謝ってんじゃねぇよ。」
そういうと、持っていたタバコをもみ消し、立ち上がった。
「行くぞ。」
「ど・・・どこにだよ?」
しかし中居は、それには答えずに無言で歩く。
無言で歩く二人。
「おい!お前どこまで行く気だよ!」
不意に中居が振り返る。
「・・もう着いた・・・。」
ふと気付くと、ナカイの後ろは一面のコバルトブルー。
「夏の海」だというのに、ほとんど人気もない。
というより、彼ら2人だけしかいない。
「いい場所だろ。この間見つけたんだ。」
「ふーん・・・」
「お前に見せたいと思って・・・。」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・ってのは口実で・・お前と二人だけになりたかった・・・。」
「・・・・・・・・。」
「タクヤ・・・あんなこと言ったけど、本当は・・・
自分に自信がないのは俺の方だ・・・。」
「・・・・・お前も自分に自信持てよ。オレもそうするから。」
「お前が本当に俺の事思ってるのか・・・不安だった」
「・・・・・・。」
「・・・冷たくして悪かった・・。」
「・・・俺も。」
そう言ってふとナカイを見ると、琥珀色の瞳から涙が溢れていた。
無言で、タクヤに背を向けて涙を流していた。
いつだって、ナカイは人に決して涙を見せようとはしなかったのだ。
「バカ。泣くんじゃねぇよ・・・。」
そう言って、キムラは涙をぬぐってやる。
「ばっ・・・だれが・・・」
「泣きたかったら泣け!見栄はってんじゃねぇよ!」
「・・・・・・。」
ナカイは、そのままタクヤの胸に泣き崩れた。
リーダーとして、感情を押さえつけてきたナカイ。
ありのままを見せてきたキムラ。
そんな2人が初めて本音を出し合った瞬間だった。
「お!タクヤあっち見てみろよ!
サーファーがいるぞ!サファー!ほら!早く!」
涙も止まり、いつもの調子を取り戻したナカイが突然叫びだした。
「えぇ?どこだよ?わかんねーよ!」
「うそで~す!」
そう言うとナカイは、
触れるだけの優しいキスをした。
―アトガキ―
かなりやっつけ^^;
某チャットで、友達と「ナカイ君は攻めでもいいと思うけど、中×木がない!」「じゃあ書けば」
「文章力ないから無理だ~」「じゃあふたりで・・・!」みたいな流れになりまして・・・。
二人でスジを作ったのを、私が小説(?)化。
最後の方のナカイさん、妙に受け臭いですが・・まあ気にしないで^^;
それにしてもラストのチュウがきいてるよ友よ!!裏に載せちゃったくらいだもの(笑)
友の名前も載せたかったんだけど、「絶対にやめてくれ!」って事で、伏せておきます。
あー、載せたい載せたい><(笑)
それでは、ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。お粗末様でした<(__)>
〈2014.05.23 追記〉
むかーし書いた小説が出てきたので、アップしてみました。
どのぐらい昔かと言うと・・2007年です(^_^;)
古い上にリアリティもないですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
彼の名前はナカイマサヒロ。
風にさらりとなびく茶色の髪。
色素の薄さで琥珀色に見える宝石のような瞳。
はっきり言って、かなりの美青年だ。
彼はいつものように、バラエティー番組の収録のために某テレビ局のスタジオに向かって歩いていた。
すると、目の前をこちらに向って歩いてくる人影があった。
彼の名前はキムラタクヤ。いわずと知れた「日本一の男」だ。
キムラは、ナカイの前まで来るとピタリと足を止める。
「オマエおせーんだよ!!ナニやってたんだよ!?」
「あ!?うるせぇよ。お前にかんけーねぇだろ?」
ナカイは、悪びれる様子も無くポツリと言い返す。
「おい!テメ・・・待てよ!おい!待てって!!」
キムラは、慌てて後を追いかけて来る。
ナカイは振り向きもせず、さっさと歩いて行こうとする。
「何で無視すんだよ!!お前、オレのこと嫌いなのかよ!!」
さっさとスタジオのドアに手をかけようとした瞬間、キレたキムラは
その背中に向って怒鳴りつけた。
ナカイは、不機嫌な顔で振り返ると、表情を変えずに言った。
「何言ってんだよ。俺がタクヤをきらうわけねぇだろ?」
ドスッ!!
タクヤの膝が、ナカイのみぞおち辺りにヒットする。
そうしながら、また怒鳴りつけた。
「お前よくもオレに心配させやがったな!!
オレがお前に嫌われたと思ってどんだけ悲しかったか知ってんのか!?
えぇ!?」
「・・・てーな・・・。おめ、もっと自分に自身持てよ。」
ナカイは、方眉を動かしながら言った。
「バーカ」
その場で不意にキムラを抱きしめると、すぐに解放し、
今度こそ本当にスタジオのドアノブに手をかけさっさと入って行った。
「うるせーよ・・・」
照れくさそうに言った。
しかし、タクヤは気付かなかった。
ナカイが、誰にも聞こえないような声で呟いた言葉に。
「俺がお前を嫌いなわけねぇだろ。本当は、俺の方が不安だったんだぜ・・・」
その日は結局、ほとんどナカイの顔を見ることができないまま、
一日が終わってしまった。
次の日、キムラの携帯が鳴った。めったに鳴らないメロディー。
キムラは慌ててテーブルから携帯を取ると、通話ボタンを押した。
「ナカイっ!?」
「よぉ。」
電話の向こうからは、予想通りのハスキーボイス。
「昨日は悪かったな・・・誤解させて・・・。それでさ・・・もし
よかったら、今からオレと会ってくれないか?
無理にとは言わないから。じゃあな。」
そういって、電話はすぐに切れてしまった。
「・・・・・行くとするか。」
誰に言うともなく呟くと、机の上の鍵をひつかんで家を出た。
そのまま、待ち合わせ場所へ向って歩いていくと、
ナカイはすでに来ていた。
備え付けの灰皿には無数の吸殻。
これから2箱目のタバコをあけようかと言う所だった。
「・・・・・よう。わりぃ。ちょい遅くなった。」
それでもナカイは無表情で返す。「遅ぇよ・・・。」
「・・・ゴメン・・・。」
「いちいち謝ってんじゃねぇよ。」
そういうと、持っていたタバコをもみ消し、立ち上がった。
「行くぞ。」
「ど・・・どこにだよ?」
しかし中居は、それには答えずに無言で歩く。
無言で歩く二人。
「おい!お前どこまで行く気だよ!」
不意に中居が振り返る。
「・・もう着いた・・・。」
ふと気付くと、ナカイの後ろは一面のコバルトブルー。
「夏の海」だというのに、ほとんど人気もない。
というより、彼ら2人だけしかいない。
「いい場所だろ。この間見つけたんだ。」
「ふーん・・・」
「お前に見せたいと思って・・・。」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・ってのは口実で・・お前と二人だけになりたかった・・・。」
「・・・・・・・・。」
「タクヤ・・・あんなこと言ったけど、本当は・・・
自分に自信がないのは俺の方だ・・・。」
「・・・・・お前も自分に自信持てよ。オレもそうするから。」
「お前が本当に俺の事思ってるのか・・・不安だった」
「・・・・・・。」
「・・・冷たくして悪かった・・。」
「・・・俺も。」
そう言ってふとナカイを見ると、琥珀色の瞳から涙が溢れていた。
無言で、タクヤに背を向けて涙を流していた。
いつだって、ナカイは人に決して涙を見せようとはしなかったのだ。
「バカ。泣くんじゃねぇよ・・・。」
そう言って、キムラは涙をぬぐってやる。
「ばっ・・・だれが・・・」
「泣きたかったら泣け!見栄はってんじゃねぇよ!」
「・・・・・・。」
ナカイは、そのままタクヤの胸に泣き崩れた。
リーダーとして、感情を押さえつけてきたナカイ。
ありのままを見せてきたキムラ。
そんな2人が初めて本音を出し合った瞬間だった。
「お!タクヤあっち見てみろよ!
サーファーがいるぞ!サファー!ほら!早く!」
涙も止まり、いつもの調子を取り戻したナカイが突然叫びだした。
「えぇ?どこだよ?わかんねーよ!」
「うそで~す!」
そう言うとナカイは、
触れるだけの優しいキスをした。
―アトガキ―
かなりやっつけ^^;
某チャットで、友達と「ナカイ君は攻めでもいいと思うけど、中×木がない!」「じゃあ書けば」
「文章力ないから無理だ~」「じゃあふたりで・・・!」みたいな流れになりまして・・・。
二人でスジを作ったのを、私が小説(?)化。
最後の方のナカイさん、妙に受け臭いですが・・まあ気にしないで^^;
それにしてもラストのチュウがきいてるよ友よ!!裏に載せちゃったくらいだもの(笑)
友の名前も載せたかったんだけど、「絶対にやめてくれ!」って事で、伏せておきます。
あー、載せたい載せたい><(笑)
それでは、ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。お粗末様でした<(__)>
〈2014.05.23 追記〉
むかーし書いた小説が出てきたので、アップしてみました。
どのぐらい昔かと言うと・・2007年です(^_^;)
古い上にリアリティもないですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。