朝から津波のニュース

夫の親兄妹が東日本大震災の津波で亡くなってから

私は津波のニュースを聞くと

夫の寂しい顔が思い出される

特に仲の良かった家族ではなかったと

夫は言っていたが

複数の安置所で

母と妹を探し回る日々


見つからず

帰宅して

数日後に見つかったと連絡がきて

すぐに陸前高田へ


「何度もこの安置所はきたのに。

何度もみたのに。

気づかなかった。

こうみたら、お袋と妹なのにな‥」と

泣いていた夫

損傷もあり

見つけることが出来ず

乗っていた車の持ち主から

身元が判明した


火葬もかなり待って

葬儀は合同葬儀で改めて

沢山の人が

お寺の庭に集まり

手を合わせる


車で仙台から海岸沿いを移動していると

まるで悪夢

夢であってほしい

けれど

壊滅状態


寡黙な夫が

運転しながら

「ここは学生のころ、こんなことをした」

「ここはなにがあって」

沢山話をしていた

忘れてはいけないというかのように


今年こそ

夫の位牌をもって

陸前高田に行きたい