今年に入って、前例がないほどの障害者の解雇・失業が相次いでいますショボーンショボーンショボーン

 

 その数、全国で5000人以上

 

  原因は国の規制強化が原因で、就労継続支援A型という障害福祉サービス施設が大量に閉所してしまったことによるものです

 

 4月に法改正があったのをはさんで、今年の3月~7月のたった5か月の間に就労継続支援A型施設が全国で329箇所閉所に追い込まれました。

 

 これからまだまだ増えると予想されますし、本来なら卒業後、雇用契約付きのA型施設に行けてたはずの障害者の方々も作業所(就労継続支援B型~雇用契約なし)に入らなければいけなくなるかもしれません。

 

 私の所属する障害福祉グループには就労支援施設もあり、一時期私もいたことがあるので、これについて現状の説明と私見を述べたいと思います。

 

 結論から言いますと、今回の惨事は、国が就労施設の現状をよく調査もしないで、間違った現状の認識に対して行った政策の失敗・・・につきます。ムキー

 

 現状把握に失敗して、政策も失敗したということですねショボーン

 

 おもいっきりテコ入れする場所を間違ったということです。

 

 霞が関の人たちがすることって、なぜ毎度こうもピントがずれるのか不思議です。えー

 

 まぁ、勉強ができることが頭が良いってことにはならないのでしょうが・・・

 

 本当の問題点を明らかにするには、まず障害者の雇用の現状を正しく理解するところからですね照れ

 

 では、始めましょう

 

 障害児と呼ばれる方たちが、高校や支援学校の高等部などを卒業して、大学や専門学校に行く一部を除けば、ほとんどが以下のような進路になります

 

 ① 一般企業への普通就職

 ② 一般企業や自治体の障害者雇用枠での就職

 ③ 就労継続支援A型への入所

 ④ 就労継続支援B型への入所

 ⑤ 生活介護施設への入所

 * その他、就労移行支援や自立訓練の一時利用

 

 特に発達障害系を含む精神に機能異常のある方は、軽度なら②若しくは③、中等度なら③若しくは④、重度なら⑤に落ち着くのがほとんどです。

 

 上の①から⑤を雇用契約のあるなしで分けると、①~③と④⑤にわかれます。

 

 ①~③は直接雇用契約を結び、最低賃金が保証され、雇用条件によっては雇用保険や社会保険、厚生年金も適用されます。

 

 ④と⑤に関しては、①~③へステップアップする準備や、社会での居場所や作業などを通して社会貢献できる場所の確保といった支援が目的なので、直接の雇用契約はありません。

 

 ④と⑤は雇用契約がないということは、最低賃金の保証された「給与」がなく、「工賃」が支給されます。何が違うの?となってしまいますが、上記にあった支援目的の作業などから得られた収入の分配が「工賃」になるため、月に3,000円が下限とされているもので、かなり低い金額です。 

 

 一般就労や雇用枠就労に関しては、令和5年度の統計で厚労省の発表している数字をみると、18歳以上65歳以下の障害者では、身体と知的で2人に1人、発達・精神障害で7人に1人が一般企業で就業しているとなっていますが・・・

 

 現場で見てきた体感上でいうと、一般や雇用枠採用に関しては難関大学の入学試験を突破するぐらいに狭き門のように感じます。

 

 2023年の調査では、障害者雇用枠について4割の企業が環境の整備や配慮などに困難を感じ、3割の企業が受け入れた部署の社員が疲弊を訴えています。

 

 形だけ整えても、障害特性の理解や障害特性に合った対応ができない健常者の方たちに受け入れは難しいのかもです。

 

 特に放課後等デイサービスを巣立っていく子供たちのなかで、この10年間、一般就職と障害者雇用枠に入れた子供はいませんでした。

 

 なので、ほとんどの方の行き先が③~⑤となるわけですが

 

 さて、ここで問題になるのは、A型施設は直接雇用契約を利用者と結び、最低賃金を保証しなければならないというところです。法律上、事業所で仕事を抱え、そこで働く利用者にその仕事で得た売り上げからお給与を支払わなければならないのです。

 

 そもそも会社というのは、経済活動を行い利益を出しつつ社会貢献する目的でつくられるものなので、経済活動を行うための「仕事」が必ずありますが・・・

 

 障害福祉サービスの事業所は障害者支援が目的で作られるものなので、「仕事」は後付けです。

 何が言いたいかというと、経済活動ありきで作られた会社とは根本的に違うということです。

 

 最初から仕事はありません。事業所の努力で無理から作るのです。

 

 20人の利用定員で20人の利用者がいたら、20名の給与が支払える仕事を探すか作らなきゃいけないのです。 

 

 普通の会社なら、事業を拡大したり、仕事量が増えるから労働力が必要になり、それに合わせて社員も増やしていきますよね

 

 就労支援施設は全く逆で、利用者に給与を払うために仕事を探すか、作るのです。

 

 そりゃ、全部のA型施設がそうそう上手く、そんな都合の良い(障害者にもできて、収入も良い)仕事にありつけるわけないですよねショボーン

 

 普通に考えたらわかります。

 

 

 この度のA型の報酬改定の柱になっているのは、扱う事業の収支利用者の労働時間の長さです

 

 黒字収支で、かつ利用者にたくさん給与を払っている事業所ほど、報酬を優遇するといった内容。

 

 今のA型施設の現状を考えると半分以上が報酬の大幅減額

 

 現状維持するには、かなりの水準の給与の支給と黒字収支、それに加えて相当に手のかかることを大量にしなければならない内容。

 

 そりゃやめますよねショボーン

 

 やっていけないものショボーン 

 

 よほど割のいい仕事を大量に抱えていないとむりですよねぇ~ショボーンショボーンショボーンそんなの・・・

 

 329箇所も閉所しなければいけなかったということは、利用者に支払う給与やその他もろもろの諸経費が、売り上げを上回る事業所が大量にあったということです。

 

 怠慢やいい加減に運営しての結果ではなく、必死にやってもそうならざるを得なかった・・・

 

 今回、国はぎりぎりで踏ん張ってきた事業者たちからはしごを外したんです

 

 みんな転げ落ちますわな・・・普通に考えたら当然の結果です

 

 一体どのくらいの事業所が淘汰される予測の元、法律の改正を行ったのか・・・

 

 大きな社福のような他の別事業から補填できるようなところや、理解ある企業とつながりがあるところなんかを除いたらやっていけないもの。ショボーン

 

 厚労省のみなさま・・・テコ入れするのはそこじゃないでしょうよ

 

 手数山ほど増やして、出来もしないような内容ばっかり盛り込んで

 

 できないなら事業所の怠慢だって あんまりでさぁショボーン

 

 ここで皆さんに質問です

 

 A型事業所であれB型であれ、事業所の運営で一番大変で頭を悩ませるものは何だと思いますか?

 

 それは・・・

 

 

 

 利用者の給与を賄える 仕事の受注   

 

 もしくは、事業所で給与を賄えるだけの仕事を作り出すということです

 

 正直、それを満たす仕事は現状ほぼありません

 

 人件費割れを起こすとわかっていても、職員も一緒に頑張って作れば何とかカバーできるかもしれないっといった単価なら受けるしかない現状があります

 

 障害者の方たちの特性なんかもありますが、臨機応変な対応が必要とされる仕事は、発達障害や精神障害の方には不向きなことが多く、どうしても同じことを繰り返す作業が中心となります。

 

 現状、ほぼ8~9割近くは物を作ったりする「作業」が仕事のメインとなっています。

 

 この仕事の発注元は一般の企業であったり、内職を専門に扱う業者からですが・・・

 

 この作業の工賃というのが・・・激安です!

 私たちが結構高い工賃だねと思うような仕事でも、健常者がやって、必死に頑張って最低賃金に届くかどうかといったところ

 

 当然、障害者の方たちが最低賃金分の工賃をコンスタントに稼ぐなど不可能に近い。

 

 勿論、発注する企業も適正な価格で出していると思いたいですが、それにしても安いんです。健常者が必死に頑張って、1時間に700~800円売上げられる仕事はかなり高い部類です。

 

 内職の斡旋業者などは、そこに仲介料が入るので1時間300円 ゲッソリ へたしたら100円なんて作業もざらです。

 

 職員の手伝いでだましだましやれているところはまだましな方です。

 

 

 ここからは、私の私見です

 

 勿論、1%も施設の怠慢がなかったとはいいません。少なくはありますが、そういった事業所もあったかもしれませんが、ほとんどはまじめに、爪に火を点す様な思いでがんばってきた事業者です。

 

 もし、国が本気で就労施設があげた売り上げから、利用者の給与を支払わせたいのであれば・・・

 

 国が企業に働きかけるなり、新たな法律を作って、就労施設におろす仕事に対して支払う金額に一定の制限を与えるようにするべきだと思います。(最低額の設定や健常者に卸す工賃と同額にするなど~収める商品に求めてくるクオリティは障害者も健常者も変わらないのだから当然だと思いますが)

 

 又、それに協力した企業に協力金や助成金をとれるようにしてあげるとか、法人税の一部免除などの特典を設けるとかしたらどうでしょう?

 

 企業はおおむね自社に何のメリットも利益ももたらさないものには見向きもしませんので

 

 ところで・・・

 

 障害者雇用の義務のある企業での法定雇用率を達成しているのは約50%、罰金を支払ったり、雇っているところでもサテライトの利用などで、見かけだけ取り繕っている会社も多くあります。

 

 そんな現状を踏まえて、してもらう仕事もない、障害者の対応・調整管理できる人もいない企業には、例えば、就労継続支援施設に仕事を発注すれば、(現在不足1人当たりの罰金が月5万円なので)金額に応じて障害者雇用を免除するなどの特例を設ければ、ただ罰金だけとられて何も得られない企業は助かり、しかも自社で障害者を雇用しなければならないこともなくなり、就労施設は単価の高い仕事を得られ、売り上げから利用者に十分な給与が支払われるようになることが期待できるのではないでしょうか。照れWIN-WIN照れ

 

 皆さんは、どうお考えになりますか?

 

 一刻も早く、失業された方の受け皿や、今後学校を卒業して社会に出る障害者の方の不安を払しょくするためにも国には正しい現状把握と効果的な政策を望みます。

 

*障がい者ではなく障害者と記載している理由は過去に述べているので、気になる方は読んでください