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女子あるあるな日常
(C)2017 InterActiveCorp Films, LLC.
/Merie Wallace, courtesy of A24
レディ・バード
親のつけた名前が気に入らず「レディ・バード」と名乗るクリスティン(シアーシャ・ローナン)。事あるごとに母(ローリー・メトカーフ)に反発する一方で、親友ジュリー(ビーニー・フェルドスタイン)には将来の夢を語っていた。校内ミュージカルで知り合ったダニー(ルーカス・ヘッジズ)と親密になったクリスティンは感謝祭の日に訪れたダニーの祖母の家が、ずっと憧れていた家だったと知る。
(C)2017 InterActiveCorp Films, LLC.
/Merie Wallace, courtesy of A24
家族のことは嫌いじゃないけど、つい他人と比べちゃう。いまいちの仕事にいまいちな暮らし。比べたってどうにもならないことはわかってる。自分じゃどうにもできないからイライラもつのる。思春期の高校生の日々を描いた本作を初見。
「嫌いじゃない」は実は「大好き」。「いまいちな仕事」は家族を支える「立派な仕事」だし、おかげで贅沢はできないけど暮らしていける。そこまで考えが辿り着けないのがそのお年頃。「自分はこうありたい」が最優先。いわゆる成長の過程だ。
(C)2017 InterActiveCorp Films, LLC.
/Merie Wallace, courtesy of A24
そうした感情の発露は人それぞれ。クリスティンの場合はわかりやすく「反抗」。本作、ずっと反抗で展開して、最後にようやく「お〜?」と思わせる一言。「あーわかるー」という現役女の子・元女の子には刺さる方が多そうだね。
僕自身、二人の娘のその時期はとっくに過ぎた。反抗はなかったかと。イライラがあっても飲み込んじゃった出来のいい子だったか、あるいは親が立派だったとか(笑)。なので、感情移入ではなく、親側の傍観者の立ち位置で見てた。
(C)2017 InterActiveCorp Films, LLC.
/Merie Wallace, courtesy of A24
「BARBIE」「ストーリー・オブ・マイライフ」とグレタ・ガーウィグの代表作を遡って視聴した。本作まで見ると作家性がよくわかる。女子推しではあるが、案外女子に都合よくはできていない。時に手厳しく、女子であることに甘えてはいけないと。
この後立て続けにガーウィグ作品「ストーリー・オブ・マイライフ」の主演を張るローナン。トレイシー・レッツ(父役)、シャラメと共にガーウィグ作常連。ヘッジズも出てたのは知らなかった。ローナン、シャラメ、ヘッジズ…って今や全員主役級。
(C)2017 InterActiveCorp Films, LLC.
/Merie Wallace, courtesy of A24
自分本位で家族の事情もお構いなし、親友のことも傷つける。書き並べると最悪だが、そんなお年頃。完璧すぎる子なんてそういないしね。お年頃女子あるあるが続き「おじさんには相性悪いかも」と不安に陥る本作。最後にホッ。うまいな。
おじさんが刺さったり涙したりするような作品じゃない。明らかに若い、特に女の子のほうが刺さるのかと。どっちが上とか下とかはない。刺さる人がいるなら、その映画は価値がある。
DATA
監督・脚本:グレタ・ガーウィグ
出演:シアーシャ・ローナン/ローリー・メトカーフ/トレイシー・レッツ/ビーニー・フェルドスタイン/オディア・ラッシュ/ルーカス・ヘッジス/ティモシー・シャラメ/スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン
hiroでした。