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メイン3人は素晴らしい

(C)2022「真夜中乙女戦争」製作委員会

真夜中乙女戦争


大学に入るも無駄な講義に嫌気がさして無気力な生活を続ける「私」(永瀬廉)。なんとなく加入したサークルの先輩(池田エライザ)以外の学生とは交流を持たずにいた。その頃、学内で小規模な爆破騒動が頻発。たびたび黒服の男(柄本佑)を見かけた「私」は爆破現場から逃げる黒服を手助けする。


(C)2022「真夜中乙女戦争」製作委員会


公開時「ファイトクラブ」みたい、と興味を惹かれていた作品を初見。ネットでも「ファイトクラブ」のパクリと騒がれていたようだ。カリスマ、テロ、破壊は確かに酷似。いっそのことリメイクを謳ったほうが良かったのではないか?


ブラピがやった役に当たるのが黒服。たまたまお金があり、先見の明があり、行動力があるカリスマ。そしてノートンが廉くんという構図。「ファイトクラブ」ではこの二人の関係性がオチだったが、そこまではパクってはいない。


(C)2022「真夜中乙女戦争」製作委員会


大きく違うところがある。テロリストたちの行動原理だ。「ファイトクラブ」における破壊は消費社会へのアンチテーゼであり、個人レベルではエネルギーの発露である。こうした主張やポジティヴ(破壊をそう呼ぶのは強引だが)さが名作たらしめた。


本作にはそれがない。あるのは怠惰、無気力。破壊した先にある思想もないので自傷衝動に近い。原作の問題か脚本の問題かは不明。なので、本作はパクリではない。パクっていたら、もう少し意味のあるストーリーになっていたはずだ。


(C)2022「真夜中乙女戦争」製作委員会


主演はキンプリの廉くん。可愛い顔どおりの可愛い声が苦手だったが、あの声で陰キャラやるとなかなか雰囲気がある。「弱虫ペダル」の面影なし。柄本はすでに大物の存在感。最強遺伝子を持つ実力派は主要三人のなかでも抜けた存在。


エライザがただのアイコンじゃない。演技はもちろん歌も披露。監督は「チワワちゃん」の二宮健。怠惰、無気力とドライな人間関係で「チワワちゃん」と似た世界観を構築。監督の思惑どおりかもしれないが、個人的に好きな世界じゃない。


(C)2022「真夜中乙女戦争」製作委員会


そんなわけで期待していた本作だが、個人的には期待値には届かず。途中で「観るのやめようか」と思ったのは久しぶり。メイン3人の演技はホント素晴らしかったので、なんとももったいない。


不満があるのは当たり前。自分と100%同じ考えの人なんていないのだから。ならば壊しちゃおう、なかったことにしよう…って説得力ない。「ファイトクラブ」って凄かったんだと改めて思う。



 DATA

監督・脚本:二宮健/原作:F

出演:永瀬廉/柄本佑/池田エライザ/佐野晶哉/成河/渡辺真起子



hiroでした。



ファイトクラブ←は名作


弱虫ペダル←永瀬廉主演


チワワちゃん←二宮監督作品