NETFLIX


なんで居んの?(笑)

(C)2020「くれなずめ」製作委員

くれなずめ


友人の結婚披露宴のために5年ぶりに集まったヨシオ(成田凌)、アカシ(若葉竜也)、キンイチ(高良健吾)、ソース(浜野謙太)、ヒロナリ(藤原季節)、ネジ(目次立樹)の6人。同じ高校の帰宅部同士で演劇をやっていた彼らは披露宴の余興で当時の文化祭のステージで踊った赤フンダンスを披露するもウケず。二次会までの空いた時間を昔語りしながら過ごす。


(C)2020「くれなずめ」製作委員


劇団「ゴジケン」主宰で「私たちのハァハァ」「アズミ・ハルコは行方不明」でお馴染みの松居大悟監督・脚本作品を初見。舞台劇の映画化。人物の配置や場面展開等々、舞台の戯曲っぽさが満載。そっち方面が好きな方の期待は裏切らない。


それぞれが思い出を辿る。そのひとつひとつの作業が隠された設定を紐解く鍵。サービスヒントはかなり早めに出されるので、後はその証拠固めになるかと。回想のはさみ方などで映画的な便利さを活用しているのは松居監督らしい小慣れた感じ。


(C)2020「くれなずめ」製作委員


「もしもこんなことが起きたら」…というシチュエーションコメディ。小作品に分類されるのかな。5人はともかく、ミキエ(前田敦子)まで「どうして居んの?」と受け入れる柔軟度。そこは笑うところであり、突っ込むところではない。


誰が見えてて誰が見えてなかったのか。そんなことを考えながら見ているのも楽しい…たぶん、未見の方は何を言ってるのかわからないと思う。見た人の特権(笑)。だって、そこ説明すると面白くなくなっちゃうと思うので。


(C)2020「くれなずめ」製作委員


映画作品において中心キャラを演じることが多い成田と高良は本作の「華」。浜野、若葉、藤原のサポートアクトとしての地位を日々上げている面々がその実力も発揮。舞台中心の目次は「アルプススタンドのはしの方」でもお見かけした。


ゲスト俳優が案外豪華。あっちゃんは俳優としての覚悟を見せつける熱演。笑いを堪えるのが大変。城田優は「ルーキーズ」のまんま(笑)。滝藤賢一に至っては笑いを堪えるのは諦めた。四千頭身の都築拓紀が単独で数秒の出演。


(C)2020「くれなずめ」製作委員会


感動を呼ぶ大きなテーマがあるわけではない。ひとつの事柄にフォーカスし、周囲の人々の視点で深掘りする。一点集中は舞台劇あるある。「俳優の演劇力を堪能する劇場体験ができる映画」というカテゴライズでよろしいかと。


バタバタしたラストは舞台的で映画作品では「らしい」演出が必要だったかも。人生観が変わるような大作じゃないけど、「演劇が見たいな」と思った時に思い出してほしい一本ではある。そこでハマれば幸い。



 DATA

監督・脚本:松居大悟

出演:成田凌/若葉竜也/浜野謙太/藤原季節/目次立樹/高良健吾/飯豊まりえ/内田理央/都築拓紀/滝藤賢一/近藤芳正/岩松了/パパイヤ鈴木/城田優/前田敦子



hiroでした。



アズミ・ハルコは行方不明←松居監督作品


サマータイムマシンブルース←舞台映画化の金字塔


グッドバイ←ケラの舞台作品の映画化