NHK
料理するのは何のため?
少食だけど料理が好きな野本さん(比嘉愛未)は、料理は男のためにするもの、子どものためにするもの、という概念に違和を感じている。ある日、勢いでとても食べきれない量の料理を作ってしまった野本さんは、同じマンションの住人でたくさんのテイクアウト料理を抱えていた春日さん(西野恵未)のことを思い出し、食べてほしいとお願いする。
土曜のランチどきに「王様のブランチ」を見ていると、よく「語りたいほどマンガ好き」のコーナーに出くわす。「わたしの幸せな結婚」も「金の国 水の国」も「王様ランキング」もそこで知った(どれも読んでないけど)。
「作りたい女と食べたい女」の原作もそのひとつ。面白そうとは思ったけど「ワンピース」以外のコミックを読む習慣がなく未読。そんな折、NHKの夜ドラ枠で実写ドラマが始まった。毎回各15分で帯で放送。全10回なので合計150分とコンパクト。
現在も連載中の原作。150分では、そのほんのさわりなのだろう。が、料理を通して描く二人の関係性はシンプル。部屋も清潔でシンプル。常に料理が中心にあるストーリーもシンプル。作品の持つ空気が伝わってくる。
最近、料理を始めた。はっきり言って楽しい。作る喜び、食べてもらう喜び。よくわかる。やはり「男の料理」だの「料理男子」などと勝手に括られると違和を感じる。時間をかけてこだわって作る、っつうのじゃなく、ホント日常の食事なので(笑)
そんな違和感が「なるほど」という解釈で主人公の真実に突き刺さる。そういう話だったのか。でも、そういうのもアリじゃん。重くならずにふつうに描く。最近、そうしたエンタメ作品が増えてきたのは良い傾向だと思う。
主演は「コードブルー」などの比嘉愛未。パートナーはお初の西野恵未。西野はミュージシャンでいろんなアーティストのサポートなどをしているそうだが、演技は未経験。コミックの春日さんとそっくりなビジュアルが話題。よく見つけてきたなぁ。
野本さん、春日さん、「思わず作りたくなる」お食事メニューたち(焼きおにぎりは実際に作ったが、これが案外ハイレベルな手間)の三人劇。終盤に重要なテーマを織り込んで終わったということは…シーズン2を期待せずにいられない。
演出:松嵜由衣/中田博之/脚本:山田由梨/原作:ゆざきさかおみ
出演:比嘉愛未/西野恵未/森田望智/中野周平
hiroでした。