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二転三転のスパイ戦
ソルト
ロシアの亡命者オルロフ(ダニエル・オルブリフスキー)の尋問を受け持ったCIAの諜報員イヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)。そこでオルロフは米国に潜入する二重スパイとしてイヴリンの名を出す。同僚のテッド(リーヴ・シュレイバー)らに拘束されるイヴリンだったが、オルロフの逃走の混乱に常じて逃げ出す。
米露のスパイ戦を描いたアクション作品を再見。アンジー演じるCIAの諜報員イヴリンに二重スパイの嫌疑がかけられ、ロシア大統領暗殺計画に巻き込まれる。イヴリンの真意が伏せられたまま進行するので観ている側にも推理力が求められる造り。
「主人公がロシアのスパイのはずがない」という思い込みは序盤から揺らぐ。どっちに転ぶかわからないハラハラドギドキ展開は脚本のうまさ。今回再見な訳だが、知ってて観ても伏線や妙な行動も回収できて、二度目もおいしくいただける作品。
ヒントを出しすぎたかもしれない。未見の方のためにもネタのほうはこの辺で。となると次はアクションだ。演技もアクションも広く認知されているアンジー。本作も肉体酷使のガン&格闘アクション。ハイウェイのシーンは落下するたび痛そうだ。
残念なのはアンジーにアクションで敵対するキャラがいないこと。タイマンバトルでのピンチがないので画力が弱く、アクション作品としてはやや物足りない。ただし、その分サスペンス色が強いので、辛うじてバランスは取れたか。
冒頭からボコボコ顔を披露する主演のアンジー。時系列でいえば「チェンジリング」と「ツーリスト」の間の作品。その後の出演作のアクション色が薄いので本作が「最後のアクション作品」くらいの覚悟はあったのかもね。
シュレイバーもキウェテル・イジョフォーも「もっとアクションできるじゃないか」と思えるが本作では控えめ。オルブリフスキーはアンジー主演の「ツーリスト」の元ネタフランス作品である「アントニー・ジマー」に出ていたのは偶然か。
練り込まれたストーリーで楽しめたのだが…昨今のロシア情勢が頭を過ぎる。当時は「あからさまにロシアを悪者にして大丈夫か」などと思ったが、現在、それほどかけ離れていなくて怖い。2010年の公開時点で予想できるはずもないのだが。
物語のその後のイヴリンを匂わすラスト。続編をもう一本くらい…などと期待してしまうよねえ。
DATA
監督:フィリップ・ノイス/脚本:カート・ウィマー/音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:アンジェリーナ・ジョリー/リーヴ・シュレイバー/キウェテル・イジョフォー/ダニエル・オルブリフスキー/アウグスト・ディール
hiroでした。
(画像は「映画.com」より引用)