#25 8/9 109GP
圧倒的ライブ感とシャンクスのアクション
（C）尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
ONE PIECE FILM RED
音楽の島エレジアで初めて大衆の前でライブを行う歌姫UTA（名塚佳織/Ado）。ルフィ（田中真弓）ら麦わらの一味も鑑賞エリアを陣取っていたが、ステージに現れたUTAは四皇の一人でルフィの目標でもある赤髪のシャンクス（池田秀一）の娘ウタであった。歌で新時代を拓くという夢を抱くウタはステージに現れた海賊を一蹴すると、ルフィに海賊をやめるよう言い出す。
（C）尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
ライブ会場の灯りが落ち、力強い歌声と共にステージにウタが登場する。映画館をライブ会場に変えてしてしまう演出。追い打ちをかけるのが主題歌でもある「新時代」のフルコーラス。本作における音楽の占める重要度を裏打ちするオーブニングだ。
「まるでMV！」…そんな文句（笑）も聞こえてきそうなほどシリーズ作中で異彩を放つ本作。「ストロングワールド」以降、伝説の海賊たちが登場してきた。重厚ではあるが、正直、似たストーリーが多い。本作、どれとも異なる新境地。
（C）尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
パワーボーカリストAdoを迎え、中田ヤスタカ（音楽も担当）、秦基博、澤野弘之、Mrs. GREEN APPLE等々豪華ミュージシャンが楽曲を提供。そのコラボが最強。どの楽曲もそのままミュージカルになりそうなほどストーリーと噛み合うクオリティ。
ウタとルフィを結びつけるのがシャンクス。実はワンピースキャラで一番の推しがシャンクス。片腕を失う本編エピソードはシリーズ随一の名シーン。人として大きいよね。重要キャラなのにあまり露出のなかったシャンクスがアクション解禁！
（C）尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
Adoと共にウタを演じる名塚。「僕のヒーローアカデミア」などで活躍するベテラン声優。本作の核であるウタとルフィのドラマ部分で実力発揮。ロー役神谷浩史は今や劇場版レギュラー。山田裕貴らゲスト枠は控えめなので気にならない。
若者たちを見守り、手を差しのべる二人の大人が好き。一人はシャンクスの池田。我々世代はシャア、現在もコナンシリーズ赤井役で活躍中。もう一人はオリジナルキャラのゴードン役津田健二郎。共に落ち着きと寛容を表現できる大人声の持ち主だ。
（C）尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
原作はクライマックスに向かっている。このタイミングだけにそっちを期待した方も多かったかと。劇場版は劇場版。シャンクス好き、Ado好きな方（←両方合致！）には十分以上に満足。ちなみに谷口悟朗監督はワンピースを初めてアニメ化した人。
シリーズ初のIMAX上映もある。本作、ライブ感は重要。少しでも音響環境のいいスクリーンでの鑑賞を推奨。過去作の知識レベルも高くはないので、ワンピースデビューも可。この夏、映画館で久しぶりの音楽ライブ体験を、ぜひ。
DATA
監督：谷口悟朗/脚本：黒岩勉/原作・総合プロデューサー：尾田栄一郎/音楽：中田ヤスタカ
出演：田中真弓/名塚佳織/池田秀一/森久保祥太郎/神谷浩史/津田健二郎/高戸靖広/山口勝平/土井美加/佐々木誠二/中井和哉/岡村明美/平田広明/大谷育江/山口由里子/矢尾一樹/チョー/宝亀勝久/新津ちせ/梶裕貴/三田ゆう子/木村雅史/杉田智和/小林通孝/田原アルノ/土門仁/沢木郁也/置鮎龍太郎/小山茉美/立木文彦/山田裕貴/粗品/せいや/Ado
hiroでした。
