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ラテンミュージカル、いいね!

(C)2020 Warner Bros. Entertainment Inc.

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イン ザ・ハイツ


NYの移民の街ワシントンハイツ。コンビニ店を経営するウスナビ(アンソニー・ラモス)と従兄弟のソニー(グレゴリー・ディアス4世)、ネイリストのバネッサ(メリッサ・バレラ)、街を出て大学に通うニーナ(レスリー・グレイス)と彼女に想いを寄せるベニー(コーリー・ホーキンズ)…ハイツで暮らす人々はそれぞれの夢を抱きながら、移民への差別と戦っていた。熱波の真夏に停電が起きた夏、街の誰かが買った宝くじが高額当選したことが発覚する。


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舞台の映画化作品を初見。公開時は移民問題は難しそうでスルー。結論としては後悔。ミュージカルなのでむしろわかりやすい。少々長いのは気にはなったが、このストーリーも、楽曲もツボ。街を上げての群舞はスクリーンサイズのスケールだ。


故郷で店を持つ夢を抱く者、期待を背負って入った大学で孤立する者、夢のために街を出ようとする者、永住権を持たないために将来を夢見ることすらできない者。移民ゆえの高い壁の前でもがく若者たちの群像劇。テーマは故郷である。


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制限された環境の中にも生活があり、夢があり、恋だってする。助け合い、肩を寄せ合い、厳しい日々を明るく過ごす前向きさはラテン民族の強さ。そんな人々を母のように愛し、見守り、育てたアブエラ(オルガ・メレディス)は街の象徴である。


社会問題を扱いながらも重くならないのはこの街=アブエラの暖かさ。それは次の世代へと受け継がれる。この連鎖が生きる強さであり、綿々と続く人々のルーツ。人が生きていれば街も生きる。街が元気であれば人も元気でいられる。


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舞台版で作詞・作曲・主演のリン・マニュエル=ミランダが本作でも製作・音楽を担当。アイスクリーム売りとして出演もしている。その後「ハミルトン」も大ヒット。映画では「モアナと伝説の海」のサントラも手がけるヒットメーカーだ。


シンガーでもあるラモスは「ハミルトン」にもオリジナルキャストで主演。映画では「トランスフォーマー」シリーズの新作にも出演。キュートなグレイスも注目のシンガー。ホーキンズは映画中心に活躍。馴染みのない面々だがそれが新鮮。


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「君の目線で世界を見たい」と愛を告げる。「勝てないかもしれないけど戦うよ」と希望を抱く。「親を越える日が来たな」と子を讃える。街で日々繰り広げられるドラマ。それはどこにでもあるドラマであり、それぞれが最高にドラマチックである。


故郷という概念は、例えば僕の場合「どこが故郷だろう」と答えに詰まる。一番幸せだったと思える場所。それが今いる場所なら、そこが故郷でもいいよね。素敵なストーリーをラテン音楽に乗せたミュージカルを見ながら、そう思った。



 DATA

監督:ジョン・M・チュウ/原作・製作・音楽:リン・マニュエル=ミランダ/原作・製作・脚本:キアラ・アレグリア・ヒュデス

出演:アンソニー・ラモス/グレゴリー・ディアス4世/メリッサ・バレラ/レスリー・グレイス/コーリー・ホーキンズ/ダフネ・ルービン=ヴェガ/ステファニー・ベアトリス/ダーシャ・ポランコ/ノア・カターラ/マーク・アンソニー/リン・マニュエル=ミランダ/ジミー・スミッツ/オルガ・メレディス



hiroでした。



ウエストサイド・ストーリー←NYで移民といえば


Tick tick BOOM!←ミランダ監督作品


モアナと伝説の海←ミランダ音楽参加