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久しぶりに頭使った劇場版

(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

名探偵コナン ハロウィンの花嫁


かつて佐藤刑事(湯屋敦子)らが逮捕した連続爆弾犯(中田譲治)が刑務所から脱走。公安の降谷(古谷徹)が追いつめると脱走犯の首につけられた爆弾が爆発。同僚の風見(飛田展男)を救出している降谷の前にマスクを被った人物が現れる。同じ頃、コナン(高山みなみ)らが出席した佐藤と高木(高木渉)の結婚式に暴漢が乱入し混乱になる。


(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員


コナンが変わった? オープニングアニメの感じが違う。風景にスタッフ・キャスト紹介を入れ込む、ハリウッドのコメディによくあるヤツ。満仲勧監督は「ハイキュー」とかをディレクションしてた方。劇場版コナンの監督は初のもよう。


もうひとつ、コナンといえば音楽は大野克夫。ところが本作、菅野祐悟が音楽担当。80歳超えの大御所から人気作曲家へのバトンタッチということか。もちろん大野さんの定番スコアは踏襲。コナンの顔だものね。冒頭から新コナンに期待が膨らむ。


(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員


ちゃんとミステリー(笑)。最近のコナン、アクション寄りで、例えば明らかになった事実を繋いで推理してもひとつの「真実」には辿り着けない。「実は…」というピースが最後に出てきて、絶体絶命のピンチをスーパープレーで阻止するパターン。


本作、そうした力技がない。事実を繋ぐとちゃんと「真実」に辿り着く。久しぶりに頭使ったんで糖分がほしくなる。加えて、現代を風刺した物語。「ロシア」が出てきたのでドキドキしたが…憎しみは何も生まないが助け合いは何かを生む。刺さるなー。


(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員


マイナーチェンジしたコナン。それでも高山さん、古谷さん、高木さん、湯屋さん、山崎和佳奈小山力也林原めぐみ岩居由希子大谷育江茶風林緒方賢一山口勝平らレギュラー陣は超安定。声を聞くだけでチル効果(笑)


お馴染みゲスト声優もタレント枠は白石麻衣のみ。しかも後から知ったという地味さ。三宅健太山口由里子三木眞一郎ら実力派が隙間なく固める周到な布陣。この「ちゃんと作ってる」感が人気シリーズであり続ける要因なのだろう。


(C)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員


組織系、FBI系、公安系、警察系、キッド系、平次系…劇場版コナンに色々ある系列。本作をカテゴライズするなら、推理レベルが高い警察系に公安系をブレンド。ファンの間でも「ミステリーが戻ってきた!」と歓迎されているもよう。


ラストで意外にもホロっと来て大団円。渋谷のスクランブル交差点も崩壊せずに一安心(それでも被害額・清掃費等で1000万円超か)。エンドロールの再現実写はいつもどおり(けっこう怖い)。経験者向きなので、ある程度の予習は必須。



 DATA

監督:満仲勧/脚本:大倉崇裕/原作:青山剛昌/音楽:菅野祐悟

出演:高山みなみ/古谷徹/白石麻衣/三宅健太/山口由里子/神奈延年/東地宏樹/三木眞一郎/緑川光/林原めぐみ/高木渉/湯屋敦子/飛田展男/岩居由希子/大谷育江/茶風林/千葉一伸/中田譲治/井上和彦/松井菜桜子/緒方賢一/小山力也/山口勝平/山崎和佳奈



hiroでした。



緋色の弾丸←前作は赤井ファミリー


紺青の拳←前前作はキッドと京極


ゼロの執行人←その前は安室(降谷)