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原田知世が絶対的なハマり役

時をかける少女


高校2年生の和子(原田知世)は放課後、理科室の掃除中に不思議な匂いをかいで倒れ、クラスメイトの吾朗(尾美としのり)、深町(高柳良一)に助けられる。週明け、学校へ行った和子はその夜奇妙な夢を見る。翌日、いつもどおり登校した和子だったが、昨日経験したことばかりが繰り返されていることに気付く。



薬師丸ひろ子に続き角川映画が送り出した二人目のアイドル・原田知世。当時の人気は伝説的。今も母役、妻役で活躍されている原田の映画デビュー作を再見。公開時は薬師丸の「探偵物語」と二本立て。二本だてって今じゃ信じられないよね。


本作は亡くなられた大林監督の「尾道三部作」の二作目にあたる。若い方はアニメ版のほうに馴染みがあると思う。あれはよくできてるし好きだ。ちなみにアニメ版に出てくる和子おばさんは本作の和子が大人になった設定だとか。


原作はSF作家の筒井康隆。タイムリープという言葉を浸透させた作品かと思われる。物質的に時間を超えるタイムトラベルよりも意識だけが過去や未来の自分にリンクするタイムリープはスピリチュアルで、どこか文学的である。



主人公が思春期なのがカギ。心が体よりも先に大人になろうとすることで起きるアンバランス。「少女が持つミステリアス性」をロマンチックに説明できる聖域的年齢層である。多くの少女を被写体としてきた大林監督は打って付けなのだろう。


そこに当てられたのが「原田知世」という素材。この作品のための角川オーディションだったのではないか、というはまり具合。当時は拙い演技だが、その後の「私をスキーに連れてって」等の大活躍。狙いどおりだとしたら神がかった先見だ。


尾道三部作「転校生」で主役を張った尾美がサポート。原田ともども今も活躍中。相手役高柳は角川作品「ねらわれた学園」の薬師丸相手役でデビュー。薬師丸、原田と共演したスター候補も今は一般社会人。根岸季衣岸部一徳がラブコメ担当。



脚本は今の作品と比べると粗く、演出も古風にさえ映る。が、当時は斬新で冒険してたほうかと。台詞回しの違和感やホラー演出をちょいちょい入れてたのも大林監督らしさ。ただのアイドル映画にしたくない、という矜持が感じられる。


そうしたわけで雰囲気先行。正直話はよくわからなかった(笑)。何十年も経てアニメ版を観て、やっと腑に落ちたという…。これもタイムリープの成せる技か。エンドロールは必見。



 DATA

監督:大林宣彦/脚本:剣持亘/音楽:松任谷正隆/原作:筒井康隆

出演:原田知世/高柳良一/尾美としのり/岸部一徳/根岸季衣/入江たか子/上原謙



hiroでした。

*画像は映画.comなどより引用しています。



しあわせのパン←原田知世主演


大停電の夜に←にも出てましたね


時をかける少女←今の人はこっちだね


37セカンズ←尾美としのりが意外な役で出演