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涙そうそう
自分の食堂を出すことを夢見て沖縄本島で暮らす洋太郎(妻夫木聡)。幼い頃に母(小泉今日子)を亡くし、離島の祖母(平良とみ)の元で一緒に育った妹カオル(長澤まさみ)が本島の高校に通うために洋太郎と暮らすことになる。カオルを大学に入れるために頑張る洋太郎だったが、詐欺にあって借金を抱えてしまう。
森山良子、BEGINによる楽曲で夏川りみのカバーが大ヒットした「涙そうそう」をモチーフに映画化した本作を再見。大ヒットした「糸」同様、TBSの名曲映画シリーズ。その第一弾が本作だったかと。この曲なんで、もちろん舞台は沖縄。
離島から沖縄本島に出てくることは、地方から東京に出てくるくらい希望に満ちたもの。夢に向かって地道に努力を続ける若者・洋一郎が主役。ところが本作は容赦ない。これでもか、と不幸の波が洋一郎を立て続けに襲う。
母の死、詐欺、恋人との別れ、そして…。戦時の上陸戦から敗戦、米軍統治と幾多の苦難を受け入れ、「泣」ではなく「笑」で乗り越えてきたのが沖縄県人。それをなぞるように洋一郎も泣かない。観ていて辛くなるほどの我慢である。
「涙そうそう」は森山良子さんが早逝した兄を思い詞を書いた。BEGINによるタイトルは「涙が流れ落ちる」という意味。辛い思いに耐えてきたすべての人に「我慢しなくていいよ」と肩に手を当ててくれる。そんな楽曲なんだろう。
妻夫木、長澤、麻生久美子、塚本高史、森下愛子、小泉等々主要キャストは沖縄とは無縁の面々。沖縄方言、いわゆるウチナーグチは相当練習されたのだろう。言葉だけでなく独特なアクセントも、他国者には自然に聴こえた。
それらキャストを下支えしたのが沖縄のビッグネーム達。沖縄演劇の雄・普久原明、沖縄音楽の母・大城美沙子、全沖縄県人のオバア・平良とみ。ラスト近くの大城さんの歌声は涙を誘い、とみさんのセリフでダメ押し。涙腺崩壊である。
「笑い」は推進力。ポジティヴな思考を生み、前進する力である。が、前進だけだと疲弊する。時には休むことも必要。「泣き」は前進するための休養だと思う。後退するわけじゃなく、立ち止まるだけなら、決してネガティヴな行為ではないよね。
我慢の許容量は人それぞれ。泣きたいかも、と思えば泣こうよ。我慢ばかりしてると泣き方忘れちゃうよ。そういう僕も、昔はもっと映画で泣いてたかもしんない。体内の水分が減ってきたな〜(泣)
DATA
監督:土井裕泰/脚本:吉田紀子/音楽:千住明
出演:妻夫木聡/長澤まさみ/麻生久美子/塚本高史/森下愛子/普久原明/大森南朋/船越英一郎/橋爪功/小泉今日子/大城美佐子/平良とみ
hiroでした。
*画像は映画.comなどより引用しています。





