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けっこう怖い!
(C)2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ
(C)MoonWatcher and N.E.W.
見えない目撃者
交通事故で弟の命と自らの視力を失った元警察官なつめ(吉岡里帆)。ある日、スケボーの少年と車の接触事故に遭遇し、車の中から女性が助けを求める声を耳にする。誘拐事件だと直感し所轄の刑事(田口トモロヲ・大倉孝二)に捜査を依頼するが「見ていない」なつめの証言は取り上げられず事件として認定されなかった。独自に調査を始めたなつめは当日現場にいた少年春馬(高杉真宙)を探し出すが、春馬は車内に女性はいなかったと証言する。
(C)2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ
(C)MoonWatcher and N.E.W.
韓国映画「ブラインド」のリメイク版を初見。韓国の猟奇殺人モノってなかなかグロい。元ネタ未見なので比較できないが、本作もなかなかグロい。調べてみると、目の見えない主人公と若者のバディということ以外は設定をずいぶん変えてきたもよう。
その攻めた脚本がなかなかにうまい。なつめの警察学校のシーンも弟の形見もちゃんと最後に生きてくる。元ネタにもあるのかな、と気になったがさらにグロい気がするのでパス(笑)。進んで危険に飛び込んでいくあたりはありがちだよね。
(C)2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ
(C)MoonWatcher and N.E.W.
一方で、いい人にも容赦がないのも韓国っぽい。そもそも猟奇犯が、こいつは生かしておいてやろうなんて区別するわけもない。すべての登場人物が危険に晒されているのはリアルで、悪への嫌悪感と恐怖が増す。だけど嫌な感じは残るよね。
真犯人もとって付けたように急に存在を誇示する。「犯人は誰?」というのは皆無。そう、本作のジャンルはミステリーやサスペンスではなく、スリラーとかホラー(汗)。早々に犯人を特定して対決構図を明らかにしたほうが面白かったかな。
(C)2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ
(C)MoonWatcher and N.E.W.
主演はCMに引っ張り凧の里帆ちゃん。テレビが中心で映画は「音量を上げろタコ」に続く主演。コメディの後だけにキャラの幅を広げた意味は大きい。相棒には映画中心の真宙くん。まだまだ知名度は高くない。もっと人気出てもいいはずなのに。
センターの若い二人をサポートするのは田口、大倉の名バイプレイヤー。スリラーだけに共演者もクセツヨ。浅香航大、酒匂芳、柳俊太郎、渡辺大知に韓国でも知られた國村隼…田口、大倉も含めて誰が猟奇犯でもおかしくない面々。ある意味怖い(笑)
(C)2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ
(C)MoonWatcher and N.E.W.
どんギツネさんが主演とはいえグロいので苦手な方は注意。犯人はいわゆるナチュラルキラー。怖いので終盤はけっこうハラハラする。スリラー作としてはうまくいってると思う。
いくつか気になるところはあるけど、とりあえずひとつだけ。「見えない=視覚障害」と「目撃」をかけたタイトルなんだろうけど、これセーフ?「考慮を要する表現」かも、と。
DATA
監督・脚本:森淳一/脚本:藤井清美
出演:吉岡里帆/高杉真宙/大倉孝二/浅香航大/酒向芳/渡辺大知/柳俊太郎/國村隼/松田美由紀/田口トモロヲ
hiroでした。