地上波鑑賞
あなたもグーニーズ!
グーニーズ
ゴルフ場建設のために町から立ち退きを迫られた住人たち。反対派の子どもたちマイキー(ショーン・アスティン)、チャンク(ジェフ・コーエン)、マウス(コリー・フェルドマン)、データ(キー・ホイ・クァン)の「グーニーズ」の面々は偶然見つけた古い地図から町に海賊「片目のウィリー」の宝があると確信。町を救うため、マイキーの兄ブランド(ジョシュ・ブローリン)らも巻き込んで宝探しの冒険に出かける。
(C)Warner Bros. Entertainment Inc.
「ワンピース」のコミックもついに99巻。海賊、財宝というのはいつの時代も冒険心を掻き立てる。公開から36年経った本作の初見は公開時のスクリーン。当時ハタチ直前のオトナコドモがこのキッズアドベンチャーに胸が熱くなった記憶は鮮烈。
「インディ・ジョーンズ」のキッズ版的な本作。次々と襲うピンチにハラハラドキドキ。必ず切り抜けるとわかっていても…そう、まるでジェットコースター。ひとつのカテゴリーとして確立したアトラクションムービーのはしりと言っていいだろう。
少年たちが主人公でフェルドマン繋がりもあり「スタンド・バイ・ミー」と比べられるが、似て非なる作品だ。死体探しという妙なリアリティのある「スタンド〜」に対し本作は宝探しという完膚なきまでの非日常。本作は徹頭徹尾「楽しさ」がある。
(C)Warner Bros. Entertainment Inc.
双方に「懐かしさ」がある。「スタンド〜」のそれはノスタルジー。二度と戻れないあの日への惜別。なのでわかるのは一定以上の年齢限定だ。一方本作はコメディゆえ誰が見ても楽しく観れる。財宝だから夢がある。あの日に戻れる気さえしてくるよね。
スティーヴン・スピルバーグは製作総指揮。監督は「リーサル・ウエポン」で疾走感に定評のリチャード・ドナー。注目は脚本のクリス・コロンバス。この後監督業に回り「ホームアローン」「ハリー・ポッターと賢者の石」を世に送るのだから納得。
アスティンが「ロード・オブ・ザ・リング」のサムなのは1月のレビューで書いた。兄がブローリンなのは有名な話。フェルドマンは現在も俳優活動中。「インディジョーンズ魔宮の伝説」のクァンも武術指導として今も映画製作に関わっている。
『グーニーズ』©1985 Warner Bros. Entertainment Inc.
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セットがディズニーランドみたい(笑)。初見時、終盤のウォータースライダーシーンでは鳥肌ものの興奮で「グーニーズと共に冒険がしたい!」なんて思ったもの。そんなワクワク作品だが、子ども向きだと決めつけるのは早計。
少年たちの宝探しの動機は「町を救う」こと。大切なのは富ではなく、仲間であり家族であり今ある暮らし。躓いたり、迷ってしまった大人に、少年たちは前に進むヒントを示してくれる。きっと、グーニーズはかつてのあなた自身なんだ。