WOWOW


自分探しのロードムービー
(C)2019「ダンスウィズミー」製作委員会

ダンス ウィズ ミー


地味な鈴木(三吉彩花)は社内女子憧れの村上(三浦貴大)のプロジェクトを手伝うことになる。休日に家で資料をまとめた鈴木は姪と出かけた遊園地で怪しい奇術師マーチン上田(宝田明)に「音楽を聴くと踊り出す」催眠をかけられ、翌日の会議で急に踊りだす失態を犯してしまう。

(C)2019「ダンスウィズミー」製作委員会

大好きな矢口監督だけど「これどうなん?」とあまり惹かれずスルー。評判も高くなく忘れかけてた。WOWOW録画で思い出し今頃初見。これ、単なるコメディじゃなくロードムービー仕立て。なんだ、面白いじゃんか。

催眠術にかかったOLが巻き起こすドタバタコメディなら「これどうなん?」となる。ロードムービーなら話は別。「旅」を通して相手を知り自分を発見する。旅で人は成長する。矢口監督ですもの、もっと信頼しなきゃ。

(C)2019「ダンスウィズミー」製作委員会

「突然歌と踊りが始まる」…ミュージカルが苦手な方の理由第1位ではないか。催眠術をきっかけとして日常に歌と踊りを挿入してみたのが本作。ミュージカルシーンは満載ながらすべて主人公の脳内ミュージカル。

曲は懐かしめの選曲なので40〜50歳代もついていける。サラリーマンやレストランの客も巻き込んでのフラッシュモブは楽しい。ミュージシャン(chay)を加えた3人の披露宴ソングはイントロを聴いただけで爆笑。

(C)2019「ダンスウィズミー」製作委員会

三吉彩花は「うた魂♪」主演夏帆の幼少期役を演じていたのだとか。「告白」「いぬやしき」にも出てたけど本格メインは初。本作では500人超のオーデションからの抜擢。矢口監督は「宝を見つけた」と大絶賛。

鈴木の相棒となる芸人やしろ優は二度目の映画出演。トリオになるくだりのchayはリアルにシンガーソングライターで「まい」の名でモデルもしているらしい。探偵ムロツヨシに催眠術士宝田と超がつく濃厚キャスト。

(C)2019「ダンスウィズミー」製作委員会


催眠にかかってしまったのには訳がある。無意識のうちに隠していた本当の気持ち。いつしか自分自身にも本当の気持ちが何なのかわからなくなる。怪しい催眠術師を追う旅は自分探しの旅となる。さすが矢口史靖。

矢口作品には「鈴木」姓のキャラが多い。多分意図的なのだろうと推測。


監督・脚本・原作:矢口史靖
出演:三吉彩花/やしろ優/chay/ムロツヨシ/三浦貴大/宝田明


hiroでした。


舞妓はレディ←これも日本産ミュージカル


スウィングガール←矢口監督作品


ハッピーフライト←矢口監督の大好き作品