WOWOW観賞

大切な人はすぐそばにいる

虹の女神 Rainbow Song


映像製作会社で働く岸田(市原隼人)は、大学の映研仲間で会社の同僚だったあおい(上野樹里)が飛行機事故で死んだことを知る。あおいは上司の樋口(佐々木蔵之介)の勧めで単身ロスに映画の勉強に向かうところだった。



大切な人。いつもそばにいるからこそ伝えられない。その人はいつまでも僕のそばにいるとは限らない。去ってから後悔しても意味がない。だから僕は伝えなければいけない。あなたが「大切な人」なんだと。

小説家で映像作品にも関わる桜井亜美が自身の作品を齊藤美如、網野酸と共に脚本化し、岩井俊二がプロデュースしたプロジェクト。ちなみに網野酸は岩井俊二のペンネーム。監督は独自の世界観をもつ熊澤尚人。


岸田の鈍感ぶりに寄ってはいるけど、素直に言えないあおいもあおい。妹(蒼井優)ら周りの人にはわかることも当人は自分の気持ちすらわからない…なんてよくある。大切だから、切り出して関係を壊すのが怖かったり。

「言えばよかった」という後悔は誰にでもある。ドラマにありがちな話だが、だからこそ共感を生む。淡いトーンの映像が「想い出」を演出し、一曲のプロモーションフィルムのよう。そういえばサブタイトルに「Song」。


隼人くんの「普通」っぽさは新鮮。樹里ちゃんは既に現在の完成形。優ちゃんは当時からオーラがあるよね。田中圭青木崇高ら今じゃ主役級の面々の「駆け出し」当時も楽しめる。Wink相田翔子のキャラが怖い(笑)

初見時、映画の持つ空気感が印象に残った作品。再見の今回、熊澤監督だと知り納得。女子コミ作「君に届け」を家族も含めたキャラ描写で立派な青春映画に仕上げた手腕の持ち主。また信頼度を上げた。


監督:熊澤尚人/原作・脚本:桜井亜美/脚本:齊藤美如/網野酸/プロデュース:岩井俊二

出演:市原隼人/上野樹里/蒼井優/佐々木蔵之介/相田翔子/酒井若菜/鈴木亜美/眞島秀和/ピエール瀧/山中聡/田中圭/尾上寛之/青木崇高/鷲尾真知子/田山涼成/田島令子/小日向文世



hiroでした。