49本目(10月19日鑑賞)
「なんで生霊になったの? なんで外に出れたの?」…少年時代の夢をそこに置いてきたから。大人になった自分やあおいをなんとかしたかったから。…ということで。
アラサーにも響く青春物語
監督:長井龍雪/脚本:岡田麿里/原作:超平和バスターズ
出演:若山詩音/吉岡里帆/吉沢亮/落合福嗣/大地葉/種崎敦美/松平健
高校生のあおい(若山詩音)は歳の離れた姉あかね(吉岡里帆)と二人暮らし。自分のために恋人慎之介(吉沢亮)と東京で暮らすことを諦めて地元に残り、結婚もせずに市役所勤めを続けているあかねに負い目を感じていた。ある日、高校時代の慎之介にそっくりな男が現れる。
「アノハナ」「ココサケ」に続く超平和バスターズ&長井龍雪作品。「アノハナ」未見、「ココサケ」WOWOW(実写は劇場)だったので劇場鑑賞はお初。
もちろん舞台は秩父で主人公は女子高生。ただ「幽霊(?)」の登場でファンタジー要素を加味。リアリティは薄く、流行りの青春SFものに結構寄せた感。
主人公あおいと姉の元カレ(の高校時代の生霊?)の絡みなので実らぬ片想いの物語かと思いきや(それもあるけど)、本筋は姉妹の物語。過去と今の慎之介が2人をつなぐ。
過去作が思春期の少女の危うさなら、本作はその先の話。大人の恋と少女の憧れが並列。ターゲットを広げた意欲作だが、少女の自立がテーマという点は「らしさ」を維持。
あおいには声優経験浅い詩音ちゃん。子役の出だけあって、違和感なくフィット。「泣いて、ないし!」が耳につく。あか姉には吉岡里帆。コナン「から紅の恋歌」にも出てた。
飛ぶ鳥を落とす吉沢亮。声優初挑戦で31歳と18歳の同一人物を演じ分けるという難役。彼の少し鼻にかかった声が今風声優っぽくて結構ハマる。そして松平健!(笑)
当時のあか姉と同じ歳になったあおいは自分の将来に不安。31歳のあか姉や慎之介はあのときの夢に後悔。きっと10代、アラサーの方に響く。50代の僕は「若いって財産だな!」と呑気に秩父の風景に魅入っていた。
hiroでした。
脚本7 映像8 音響7 配役8 音楽7
37/50