WOWOW鑑賞

劇場版第1作から誰もが認める名作に
劇場版ポケットモンスター
ミュウツーの逆襲

監督:湯山邦彦/脚本:首藤剛志
出演:松本梨香/大谷育江/市村正親/飯塚雅弓/上田祐司/林原めぐみ/三木眞一郎/犬山犬子/鈴置洋孝/佐藤藍子/小林幸子/山寺宏一

幻のポケモン・ミュウ(山寺宏一)の化石から遺伝子操作によって人工的に作られたポケモン・ミュウツー(市村正親)。望みもしない命を与えられたミュウツーは人間への逆襲を企てる。ポケモンマスターを目指して旅をするサトシ(松本梨香)の元にトレーナーバトルの招待状が届き、嵐の海を越えて会場に辿り着くが、それはミュウツーの罠だった。


再見。

ポケットモンスターの劇場版第1弾。ゲームにアニメに「ポケットモンスター…略してポケモン」の世界にハマった子どもたち待望だったろう。ところが内容はずいぶん攻めた。

テーマは人間のエゴ。「力」を欲する人間によって作られた最強のポケモン。人のために存在し、人に使役されるポケモン。そのループを断とうとミュウツーは立ち上がる。


力は争いを生み、不毛な戦いに発展する。それを阻止するのは人とポケモンの絆。ポケモンとの信頼という絆で結ばれているサトシらトレーナーたち。利用されることしか知らなかったミュウツーには衝撃でしかない。

強さや上手さを求める既存のゲームとは一線を画す「架空のパートナー」という概念。育成という目的が付加され、誰もが楽しめるゲームとしてブームは拡散。映画はゲームの本質を見事に捉えているのがわかる。


彼らの闘いは国際紛争や戦争に置き換えられる。なぜ戦争が起きるのか、どうやったら戦争をなくすことができるのか。授業じゃ頭に入って来ない問題も自然に理解できる構造。

可愛く楽しく作っても、劇場は千客万来だったろう。あえて高いハードルに挑んだ制作スタッフ。そこが本作を名作にしている所以。副産物として大人のファンもゲットだぜ!


とはいえ小さい子はわからないよ。で、おまけ短編「ピカチュウのなつやすみ」付きで上映。劇場鑑賞してないのに観たことある。テレ東で放送したかな。ナレーションは本編にも出演の佐藤藍子

ミュウツー役市村さんのドラマチックな演技は貢献大。22作目になる本作のフルCGリメイク版でも同じ役で出演。そちらは未見。



hiroでした。