WOWOW鑑賞

共に歩むこと
リズとい鳥

監督:山田尚子/原作:武田彩乃/脚本:吉田玲子/音楽制作:ランティス/協力:洗足学園音楽大学
出演:種崎敦美/東山奈央/本田望結/藤村鼓乃美/山岡ゆり/杉浦しおり/黒沢ともよ/安済知佳/桑島法子

北宇治高校吹奏楽部3年生のオーボエ担当みぞれ(種崎敦美)はおとなしい性格で周囲と馴染めずにいるが、フルート担当希美(東山奈央)にだけは心を開いていた。2人はコンクール自由曲「リズと青い鳥」でソロの掛け合いをすることになる。人間の姿になった青い鳥と少女の別れを描く物語の青い鳥に希美をリズに自身を投影するみぞれだったが、主人公の気持ちがわからず、2人の息も合わなくなっていく。


追いかけたい背中がある。それは憧れだったり、恋だったり。しかしその距離は一定ではない。時に縮まり、時に離れる。

やみくもに追いかけてきた足を止め、辺りを見回す。いつも見ていた背中がない。いつのまにか追い抜いていたりする。

目の前には分かれ道。今までは何も考えずに背中に付いて行った。もう自分で決めなくてはならない。自分で歩まないといけない。


京都アニメの山田尚子は天才ですか。

山田さんの「けいおん!」はキャラ重視の定番演出に没入できなかった。ところが劇場作「聲の形」が珠玉。誰もが持つフワッとした違和感を押しつけでなく共感させる構成と繊細な画に震えた。

本作は「響け!ユーフォニアム」のスピンオフ。山田さんはテレビ版シリーズ演出に携わり、本作では監督。思春期のフワッとした感覚。繊細な心模様。やはり天才。


「響け!」の時系列では劇場版第2作「届けたいメロディ」で3年生が卒業した後。久美子、麗奈ら本編キャラが2年生になっているが、あくまで脇。同じ吹部の別の場所での話に特化している観点が新鮮。

黒沢ともよ安済知佳らヴォイスキャストもオリジナルのまま。「リズと青い鳥」のストーリーパートは本田三姉妹の次女・本田望結がゲスト参加。ランティスx洗足の音楽チームも続投。


人の成長には個人差がある。早熟な人、晩成の人、平均的に伸びる人、特定の部分で伸びる人。歩く速さも方向も同じ人などいない、ということ。

今いる場所と友情は関係ない。



hiroでした。