WOWOW鑑賞


家族への思いと音楽への思い
響け! ユーフォニアム
届けたいメロディ
 
総監督:石原立也/監督:小川太一/原作:武田綾乃/脚本:花田十輝/音楽:松田彬人/音楽制作:ランティス/協力:洗足学園音楽大学/シリーズ演出:山田尚子
出演:黒沢ともよ/朝井彩加/豊田萌絵/安済知佳/寿美菜子/早見沙織/茅原実里/沼倉愛美/櫻井孝宏

全国出場を決めた北宇治高校吹奏楽部。少しでも上へと練習にも気合が入る。ある日、副部長で低音パートリーダーのあすか(寿美菜子)と母親、顧問の滝(櫻井孝宏)が教員室で退部のことを話しているのを聞いてしまった久美子(黒沢ともよ)。頼れる先輩の去就に不安を抱くなか、家では姉の麻美子(沼倉愛美)が大学をやめると言い出し親と喧嘩する。


あれしなさい。はい。これしなさい。はい。言ってることは正しくても、言われてやるのは好きじゃない。躓いたとき、多分自分なら人のせいにする。言われたからやっただけ、ホントはやりたかったわけじゃない、と。

自分で決めるということは行動や結果に責任が伴う。それって重い? 面倒? いや、責任を持つって普通のことだと思う。言われてやったことは、自分じゃない。自分で決めた行動には、そこにはちゃんと自分がいる。
 

劇場版第2弾。本作、かなり掘り下げた。前作で顔すら出てこなかった久美子の家族が登場。学園モノのアルアルなのが家族無視。家族を描くことで久美子は「傍観者」ではなくなる。

もう1人の主人公あすかの家族もクローズアップ。あすかのキャラがグッと立つ。スポ根部活青春ムービーはドラマ性をブラッシュアップ。前作の物足りなさを払拭して余りあるクオリティ。


2人のエピソードの下地にあるのが「音楽を始めたきっかけ」。片や姉への憧れ。片や去って行った父との絆。音楽への思いは家族への憧れや感謝。喧嘩しても会えなくても演奏することで繋がっていられる。

吹部なら部員の数だけエピソードがある。忘れてしまいそうな小さな出来事でも、それはその人にとって大切なこと。さすがは山田尚子。目のつけどころがうまい。
 
 
本作とても良い。ホロリとくるくらい良い。そしてこのタイトルに込めた思いも、ラストでようやく判明。これは名作かもよ。

ただし、前作ラストからつながる話。前作鑑賞は必須。その前作がやや眠いのだが、観ないことにはここにたどり着けない。そして3作目にも進めない。



hiroでした。