WOWOW鑑賞 Blabo!音楽映画④

眉間にしわ寄せ、あおい突っ走る!
少年メリケンサック

監督・脚本:宮藤官九郎/音楽:向井秀徳
出演:宮﨑あおい/佐藤浩市/木村祐一/田口トモロヲ/三宅弘城/勝地涼/峯田和伸/佐藤祐基/波岡一喜/石田法嗣/水崎綾女/星野源/田辺誠一/烏丸せつこ/中村敦夫/哀川翔/ピエール瀧/犬塚弘/ユースケ・サンタマリア

音楽レーベルの派遣社員のかんな(宮﨑あおい)はネットでみつけたパンクバンド「少年メリケンサック」に何かを感じて社長(ユースケ・サンタマリア)に報告する。隠れパンクの社長が乗り気になり、契約を取るためリーダーアキオに会いに行くが、そこにいたのは50歳の酔っ払い(佐藤浩市)。ネットに上がっていのは25年前の彼らの動画だった。


宮﨑あおいに本格的に惚れたのはコレから。演技が上手い存在感のある女優だから…とかもっともらしい理由じゃなく、本作のぶっ飛び具合と眉間のシワ、これに惚れた。

本作まるで格闘技。あおいVS佐藤浩市、あおいVS木村祐一、あおいVS勝地涼、あおいVSユースケ…相手も一切容赦なし。どの対戦も有刺鉄線デスマッチ級。


対戦相手の「本気」が宮﨑あおいに火を点ける。エロありゲロあり自虐あり。ビジネススーツからジャージまでコスプレも満載。コメディエンヌあおいの独壇場。

宮﨑あおいの可能性を引き出した監督クドカン。映画作品では「残念」な印象(個人の感想です)だが、本作スクリーンにフィット。


佐藤祐基→佐藤浩市、波岡一喜→木村祐一、峯田和伸田口トモロヲ石田法嗣三宅弘城、そして水崎綾女烏丸せつこ。新旧キャストがピタッとはまる。銀杏峯田は楽曲面でも積極参加。星野源もいた。パンク方面からはカメオも多数…らしい(←詳しくない)。

突然有名人になった勝地涼。彼への初「いいね」も本作だった。ユースケはバラエティレベルの全力疾走。田辺誠一は全力静止で抱腹絶倒。


音楽映画というより音楽コメディ。グダグダなパフォーマンスも「パンクは魂」だからよい。ジョニーの歌が聞き取れないのはネタ。ホントの歌詞に爆笑。

テクノありフォークありポップありアイドルあり。全部オリジナル。全部しっかりおかしく作ってある。この手間の掛け方大好き。


おかしいだけで感動がないのはクドカンらしい。よって評価も低調。だけど、メッセージはちゃんとある。ポジティヴに突っ走ったその先に突っ走った者だけが見ることができる景色がある。

元気がもらえる、かんなとおじさんたちの再生ムービー。感動だけがメッセージじゃないんだゼ。



hiroでした。