NHK-BS鑑賞 エンタメ創生期①

 
コレがなければあのヒーローもいなかった⁉︎
ミクロの決死圏
 
監督:リチャード・フライシャー/脚本:ハリー・クライナー
出演:スティーヴン・ボイド/ラクエル・ウェルチ/アーサー・ケネディ/エドモンド・オブライエン/ドナルド・プレザンス/アーサー・オコンネル/ウィリアム・レッドフィールド
 
物質の縮小化技術を開発した東側の科学者が亡命。技術の軍事利用を目論むアメリカ政府だったが護送中に襲撃を受け、科学者は意識を失う。原因は脳の腫瘍と判明するが手術では摘出できない位置にあり、未完成の縮小化技術で人間が体内に入り中から腫瘍を摘出することになる。60分がリミットのミッションにグラント(スティーヴン・ボイト)、デュバル(アーサー・ケネディ)、コーラ(ラクエル・ウェルチ)らが挑む。
 
 
hiroの生まれた1966年の作品。ロマンス、ミュージカル、歴史大作など映画の隆盛期。当時のSF作品の代表ともいうべき本作。子供の頃はよくテレビ放送してたが近頃とんと。NHK-BS放送を録画して何十年ぶりかの再見。
 
体の中に人が入る。そのアイデアを具現化する。CGなどない時代にだ。「誰も見たことかない映像を作る」という映画人の情熱は現代にも継承され、いまだ映画産業を衝き動かす原動力となっている。
 
 
SFアドベンチャーだけじゃない。次々起こる不測の事態に裏切り者がいるかもしれない疑心暗鬼。潜航艇内という密室サスペンスも付加。後付け設定かもしれないが、これを活かした脚本はなかなか。
 
特撮による体内映像は、今見ると文化祭レベル(←アカデミー賞美術賞・視覚効果賞受賞作品になんたる無礼!)。ただし、50年以上前の大人たちはゼロからの創意工夫でやってのけた。序盤、音楽なしの縮小化工程の緊張感も撮影班、編集班のグッジョブ。
 
 
制作にあたり多くの医療関係者、科学者に協力を仰いだことは冒頭の謝辞で確認できる。その結果、内視鏡やレーザー縫合など今では常識となった医療技術のヒントも満載。
 
本作があったから「アントマン」がある。映画にとどまらず「ドラえもん」にまで影響を与えたという本作。博物館に展示されてもいい作品だ。
 
 
本作の原案について手塚治虫先生が絡んだというエピソードがあるという。wikipediaに詳しいので興味のある方はご参照を。
 
秀逸なサスペンス要素を持っていながら本編は「脱出成功」であっさり幕を下ろす。心理戦を描き込めばもっと面白くなる。誰かリメイクしないかなー。
 
え? キャメロンが動いてるんですって⁉︎
 


hiroでした。