23本目(4月16日鑑賞)

 
ネヴァーサレンダー!
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ウィンストン・チャーチル
ヒトラーから世界を救った男
 
監督:ジョー・ライト/脚本・製作:アンソニー・マクカーテン/特殊メイク:辻一弘/音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演:ゲイリー・オールドマン/クリスティン・スコット・トーマス/リリー・ジェームズ/スティーヴン・ディレイン/ロナルド・ピックアップ/ベン・メンデルソーン
 
1940年、ヨーロッパ全土に侵攻を続けるナチス・ドイツはフランスを追い込み、ドーバー海峡の対岸イギリスに睨みを利かせていた。和平の道を探るイギリス政府に対して野党は反発しチェンバレン首相(ロナルド・ピックアップ)の退陣を要求。与党はこれ受け、連立離脱をほのめかす野党の推す「政界一の嫌われ者」チャーチル(ゲイリー・オールドマン)を後任の首相とした。そんな時期にチャーチルの専属タイピストとして雇われたレイトン(リリー・ジェームズ)は、着任早々彼の罵倒の洗礼を受ける。
 
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名前しか知らなかったチャーチル。なんの知識もないまま劇場で鑑賞。そしたらまあ「英国王のスピーチ」からの本作からの「ダンケルク」という流れ。世界史知識を勉強以外で獲得。映画ってワンダフル。
 
チャーチルには本作でオスカー獲得のオールドマン。特殊メイクで太っちょ宰相に変身。それでもやはりオールドマンなのはさすが。そのメイク、JAPAN代表・辻一弘さんにもオスカーが。映画ってアメイジング。
 
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チャーチル=ヒーローには描かない。だから太っちょのまま。だから怒りっぽい。だからブツブツ話す。だから葉巻の煙まみれ。ありのままで忖度も控えめ。
 
チャーチルの内面を炙り出す脚本も見事。独裁者への罵倒はその一端。圧倒的不利に追い込まれ、和平派に一度は白旗。憔悴し、さる方からの助言で街に出る。そして復活。教科書には載ってないチャーチルがそこにいる。嘘混じりでもエンタメだからよし。
 
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元シンデレラ・リリーは紫煙漂う男くさい政界に添えられた一輪の花…と思いきや話の中心にかなり近いので驚いた。待機作「マンマ・ミーア! ヒア・ウィ・ゴー」では若き日のメリル役だとか。楽しみ。
 
ファーストレディはクリスティン・スコット・トーマス。気丈な言動と母のような包み込む愛を併せ持つ。「トゥームレイダー:ファースト・ミッション」のキャラと合わせ鏡。英国王ベン・メンデルソーンは美味しい役。
 
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英国らしい荘厳なセットでベテラン役者の重厚な演技を堪能。「政界一の嫌われ者」が声なき民の声を聴く。地下鉄の「NEVER!」に震える。これを観てもらいたい人がいっぱいいる。
 
が、どうも引っかかる。国民を鼓舞する参戦スピーチを行った「英国王のスピーチ」、そして徹底抗戦を表明した本作。戦勝国の論理に思えてしまい。

もしイギリスが降伏してたらヨーロッパ全土に鉤十字の旗が立ち、歴史は変わっていたかもしれない。案外的を射ている「ヒトラーから世界を救った男」の正義に納得することにしよう。
 


hiroでした。
 
 
 
脚本7 映像8 音響8 配役8 美術8
39/50