WOWOW観賞

 

映画はまだまだいろんなことができる!

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ツイスター

 

監督:ヤン・デ・ボン/製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ/脚本:マイケル・クライトン/アン・マリー・マーティン/音楽:マーク・マンシーナ

出演:ヘレン・ハント/ビル・バクストン/ジェイミー・ガーツ/ケイリー・エルウィズ/ロイス・スミス/フィリップ・シーモア・ホフマン/アラン・ラック

 

幼い頃、巨大な竜巻によって親を失ったジョー(ヘレン・ハント)。今は竜巻の発生や成長、進路の謎を解明すべく北米大陸を東奔西走する研究者集団ストームチェイサーのリーダーとなっていた。大型の竜巻が今にも発生しようかというその日、別れた夫のビル(ビル・バクストン)が離婚届のサインをもらうために現れる。

 

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「ストーム・チェイサー」=竜巻の正確な予報システムを構築し、人の命を救うために設置されたオクラホマ大学の研究チーム。本作は彼らをモデルにした自然の脅威と人間との戦い。
 
地味なシチュエーションに初見時もビデオだった。これがまさか(失礼!)の超エンタメ作品。「イン・トゥ・ザ・ストーム」の劇場鑑賞はこの時の失敗で決めた。
 
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竜巻を見つけるやいなや猛スピードで隊列を組み、危険承知で竜巻を追う。荒野を進むチームのスピード感はまるで西部劇。「スピード」のヤン・デ・ボン起用が大成功。

 

竜巻を追う人物像が魅力的。机にかじりついてる博士タイプの理系の先生とは違う。クレイジーでロックンローラーでロマンチストな理系の先生。そんな彼らが報酬や名声のためじゃなく、人を救う目的のために行動しているのが感動的。

 

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スピルバーグの黄金期。いろんなタイプの作品を次々世に送っていた頃。特に映像技術の隆盛期。先端映像集団ILMの創り出すツイスター映像は、その後の映画界にどれだけ影響を与えたか。

 

「ジュラシック・パーク」原作のマイケル・クライトンを脚本に据える贅沢。彼の小説の念入りな調査は定評。クライトン・ブランドが本作にリアリティを生む。

 

アクションの印象が薄いハントがタンクトップで奮戦。アクションの印象が強いバクストンははまり役。早逝が惜しまれる。ロンゲのフィリップ・シーモア・ホフマンには歓涙。

 

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異常気象は世界中で起きている。それが人間の傲慢への警鐘だとしても、やはり傍観できないのが人間。ストームチェイサーが、自然の猛威の前になす術を知らないか弱き人間の悲劇を少なからず救っていることだろう。

 

地味な素材を一級エンタメに昇華したスピルバーグ。新しい視点、新しい映像への情熱が伝わる。ビッグネームになってなお、チャレンジングな映画人は、映画の未来をつくり続ける。

 

 

 hiroでした。