78本目(10月14日鑑賞)

 
51歳が恋について考えたww
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ナラタージュ
 
監督:行定勲/脚本:堀泉杏/原作:島本理生/音楽:めいな.Co
出演:有村架純/松本潤/坂口健太郎/大西礼芳/古舘佑太郎/神岡実希/駒木根隆介/金子大地/堀ちえみ/瀬戸康史/市川実日子
 
大学生の泉(有村架純)に高校の演劇部顧問だった葉山(松本潤)から電話が入り、後輩の舞台の手助けをしてくれと頼まれる。高校時代の葉山に対する複雑な思いを抱きながら了承した泉だったが、そこで演劇経験者の大学生・小野(坂口健太郎)と出会う。
 
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どうしよう。これ、いい。
 
…と戸惑っているのは、10年前に観てたら確実にNGだったから。なぜなら、出てくる人物の誰もが正しい選択をしていないし、人を傷つけてるし、誰にも共感できないから。ちょっと前まで、そういうの観て「切ない」とか言ってるのが独りよがりで嫌だった。
 
なぜ今はNGでないのか。
 
まずは51歳が女子高生の恋について考察してみるww
 
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なぜ恋をするのか。そんなのわかる人いますか。大抵は気がついたら恋をしてるもの。きっかけはいろいろあるけど、理由はだいたい後付けだよね。主人公泉もいろいろ気にかけてくれる葉山に、いつの間にか恋をしてしまう。
 
恋というのは極めて感情的。うまくいくから恋をするとか、好きになっちゃいけないから恋をしないとか、そういう計算がないよね。というわけで、葉山はたまたま教師でたまたま既婚だっただけ。
 
葉山の思わせぶりが悪いのか。イエス。夫婦間にいろいろあったらしい。同情するし、気持ちはわかるが、葉山が悪い。ただし「離婚してないのにしてる風な言い方をした」からじゃない。葉山がどんな態度をとろうと、泉が恋した事実は変えられない。いつまでも意思を示さず、引っ張りまくったことが悪い。
 
葉山への思いを抱えながら小野と付き合った泉。泉が悪い。小野の裏の顔は元々なのかもしれないけど、昔好きで今でも連絡を取り合っている人がいたら。しかも、渡せなかった手紙を持ち歩いている。やっぱダメでしょ。ただ、社会的なルールを破ってしまった小野はNG。
 
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という具合に、誰もが悪い。では彼らは間違っていたのか。「真実はひとつ」(江戸川コナン)でも真実にたどり着く道はひとつじゃない。模範的な道はある。それ以外の道を選んでもいい。
 
人は間違いや失敗を繰り返す。失敗しない人なんて大門未知子しかいない。取り返しがつく間違いなら、次に間違わなければいい。今はそう思えるようになった。なので、本作がスッと受け入れられた。
 
恋を語っていたのがいつの間にか生き方を語っていた(笑)。本作、彼らの行動に共感できない方も多いと思う。自分の感情をどう受け止め、どう咀嚼し、どう結論づけるか。落とし処がとても良かった。
 
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架純ちゃんは本作の主役と言っていい。「関ヶ原」でも魅力を発揮していたけど、本作は実力を発揮。松潤はイラっとする役。イメージ商売なのによく演じた。坂口くんは、今までちょっと見なかった役で新鮮。
 
神岡実希駒木根隆介金子大地の高校生トリオ。熱演だが、本筋への絡みが中途半端。大西礼芳古舘佑太郎の同級生カップルも引き合わせ役以上の役割はなし。もったいないが、これらは脚本のせい。市川実日子は短い時間で十分なインパクト。
 
観る人の年齢や経験値で、見え方は大きく変わる。隣に高校生カップルがいたけど大丈夫だった?若い君たちにはわからないだろ。
 
 
 
hiroでした。
 
 
 
脚本8 映像8 音響7 配役8 音楽8
39/50