65本目(9月2日鑑賞)

司馬作品はハードル高し
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関ヶ原

監督・脚本:原田眞人/原作:司馬遼太郎/音楽:富貴晴美
出演:岡田准一/役所広司/有村架純/平岳大/東出昌大/伊藤歩/中越典子/壇蜜/北村有起哉/和田正人/堀部圭亮/橋本じゅん/中嶋しゅう/音尾琢真/松門洋平/大場泰正/キムラ緑子/滝藤賢一/麿赤兒/西岡徳馬/松山ケンイチ

太閤秀吉(滝藤賢一)の下、閣僚トップの石田三成(岡田准一)と大名トップの徳川家康(役所広司)が秀吉死後の覇権を競って牽制し合う。武勇の浪人島左近(平岳大)、忍びの初芽(有村架純)を召しかかえて陣容を整える三成。一方家康は豊臣家中のうち福島正則(音尾琢真)、加藤清正(松門洋平)ら三成とソリが合わない一派を取り込んで三成包囲網を固めていった。

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堪能した!

hiroは日本史好き。司馬遼太郎の主要作品は読破。天下分け目の合戦前後を描いた『関ヶ原』と豊臣滅亡を描いた『城塞』は取り分け好きな作品。

史実を知る我々は家康が勝ち、安定政権を樹立することを知っている。案外知られていないのは、圧勝と思われている家康も実は「ギリギリの勝利」だったということ。

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ポイントは人をどう動かすか。「利と情」で動かす家康に対して三成は「義」である。損得ではない、と。hiroはこの原作で三成の印象を大きく変えた。

心の微かなズレがやがて大きな亀裂となる様が醍醐味。140分の尺に収めきれたか。答えは否だが検討。矢継ぎ早に放り込む多くの人物の人となりをできるだけ示そうとした努力が見える。

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合戦シーンが見せ場。何万人と言われる軍勢も、実は大半が農民だ。鎬を削る斬り合いなどはひと握り。長槍の突き合い、投石、取っ組み合いがほとんど。リアルな合戦へのこだわりが感じられ、好感。

そんな中、初芽、白蛇(伊藤歩)、赤耳(中嶋しゅう)に大きな役割を与えたのは、説明役も担ってもらうためか。理解させようという工夫なのだろう。

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…だがこれ、日本史に興味ない方には難しくないか?人物は多い(原作通りだともっとワチャワチャ。これでも整理されてるほう)。場面が次々変わる、セリフが早口。セリフも方言、あだ名(例えば三成=佐吉・治部、清正=お虎、秀秋=金吾など)、時代用語もあり。字幕上映でもよかったのではないか。

司馬遼太郎の小説でさえ誰でも読めるわけじゃない。小説も映画もトライするのはよいが万人ウケを望むのは間違い。だってそういうものですから。

司馬遼太郎作品のハードルの高さ。重要と思われたエピソードもいくつか割愛。映画サイトの低評価も納得はする(笑)。だけど、合戦のリアリティと架純ちゃんの大活躍でほぼ満足。面白かった。



hiroでした。
中嶋しゅうさんカッコよかったです。
ご冥福をお祈りします。



脚本7 映像8 音響8 配役8 音楽7
38/50