WOWOW鑑賞
「つかみ」に痺れる
監督・脚本:ジョエル・シューマカー/音楽・脚本:アンドリュー・ロイド=ウェバー/原作:ガストン・ルルー
出演:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム/パトリック・ウィルソン/ミランダ・リチャードソン/ミミー・ドライヴァー/ジェニファー・エリソン
1870年、パリ。オペラ座でリハーサル中の事故により花形スターのカルロッタ(ミミー・ドライヴァー)が降板。急遽、コーラスガールのクリスティーヌ(エミー・ロッサム)が代役に立つ。ところが、彼女の歌声が観客を魅了。新たなスターが生まれる。彼女は夜な夜な謎の男ファントム(ジェラルド・バトラー)に歌のレッスンを受けていたのだ。
何度も舞台で演じられ、映像化もされたミュージカルの名作。2004年の劇場版を再見。
ミュージカル映画の大半は「つかみ」に全力を注ぐ。本作のつかみも見事。静かでモノトーンのオークションシーンが、有名なパイプオルガンのあの旋律とともに光彩を放ち、50年の時を遡る。鳥肌だ。
オペラ座のセットが壮麗。舞台の上、下、劇場の地下まで。ひとつの建築物をグルグル。舞台では「劇場の中の劇場」となる。どう表現してるんだろう、と気になるところ。
一度しか観てないのであまり覚えてなかったりした。クリスティーヌを中心にファントムとラウル(パトリック・ウィルソン)のトライアングル。
悲しい過去を背負ったファントム。闇の存在の自分の代わりに育てたクリスティーヌが奪われる。その嫉妬が狂気に火をつける。ファントム、もう、ストーカーで変態。ジェラルドが細くて小さい(笑)。
すべてを知るマダム・ジリー(ミランダ・リチャードソン)も加えてミステリー仕立て。その娘メグ役ジェニファー・エリソンがキュートだがその後活躍の形跡なし。
二人の新支配人と「元」花形スター・カルロッタは舞台特有の道化役。カルロッタ役ミミーも、良い役者になりました。ステージ同様華やか。
淡い初恋か、闇に生きる音楽の才能か。少女だからこそ、舞台女優だからこそ落ちるジレンマ。歌うまエミーが揺れる心を好演。エミーは「サヨナラの代わりに」の女子大生。オペラ座公開当時は18歳。今の方が若くないか?(笑)
原作、舞台、他の映画作品との相違は不明。オークションとラストの「その後」は映画ならではの演出。あれは?これは?…と映画の尺では説明しきれない部分は他作品で補完するとしよう。
hiroでした。