74本目(11月12日鑑賞)
これ、アレだね(笑)
監督:山下敦弘/原作:北杜夫/脚本:春山ユキオ(須藤泰司)/音楽:きだしゅんすけ
出演:松田龍平/大西利空/真木よう子/戸次重幸/寺島しのぶ/宮藤官九郎/キムラ緑子/銀粉蝶/戸田恵梨香
小学生の雪男(大西利空)は、周りにいる大人についての作文の宿題を出される。公務員の父(宮藤官九郎)、専業主婦の母(寺島しのぶ)はふつう過ぎて書きたくない雪男は、父の弟で居候しているおじさん(松田龍平)についての作文を書き始める。
ぐうたらで大人から見たらイライラする人。「あんな大人になったらダメ」と言われるような人。中身が子どものくせに、自信家で、あーだこーだと屁理屈をこねる。それでも、子どもにとってはどこか魅力的。
この人が恋をすると誰が見てもわかる。ライバルが現れる。結末もわかる。どっかにいたなー、こんな人。そう、葛飾柴又の方。このお話は「寅さん」じゃんか。
映画デビューから注目され続ける龍平くん。つかみどころのない飄々とした存在感…なのにどこかに「凄み」を持っている印象。一方で「舟を編む」みたいな普通の役もこなせたりする。
「舟を〜」のマジメくんをコメディに特化させたのが「モヒカン故郷に帰る」であり、本作、その延長線上な気がした。そして龍平くんのこの手の役はとてもツボ。
初代マドンナ(笑)真木よう子がとてもかわゆい。クドカンはホントの兄に見えるから不思議。キムラ緑子が同日ハシゴしたもう一本にも出演してた(笑)。戸次重幸は「探偵はBARにいる」での龍平相棒大泉とナックつながり。おじさんの相棒利空くんはMVP級の活躍。
脚本「春山ユキオ」は本作の語り部雪男の名前。正体は「相棒」の須藤泰司。龍平くんとは「探偵はBARにいる」シリーズで一緒(古沢良太と共同脚本)。
本作のおじさん(寅さんもだけど)、非難されようが怒られようが、屁理屈は叩いても怒ったりはしない。反省しても反抗はしない。愚痴も陰口も言わない。ベースは、人を応援するのが好きないい人なんだと思う。
展開はわかっちゃう。それでも奇策に走らず堂々勝負。それがニッポンコメディ! それが寅さん! 続編もあるのかな。次のマドンナは戸田恵梨香?
脚本8 映像7 音響6 配役8 音楽8
計37/50