69本目(10月18日鑑賞)

 
就活システムに翻弄される若者
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何者
 
監督・脚本:三浦大輔/原作:朝井リョウ/音楽:中田ヤスタカ
出演:佐藤健/有村架純/菅田将暉/二階堂ふみ/岡田将生/山田孝之
 
ルームメイト光太郎(菅田将暉)の就活に向けたバンドのラストライブに訪れた拓人(佐藤健)は、そこで海外留学から帰ってきた瑞月(有村架純)と再会する。瑞月が留学先で出会った理香(二階堂ふみ)が偶然拓人たちの部屋の上に住んでいたことから、理香の部屋を彼らの就活対策本部にしようということになる。
 
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こんな就活してなかったな。彼らは何に慌て何を悩んでいるのだろう。違和感…最初からあったそれは、ジェネレーションギャップなんだろう、と思いながら観ていると…。これはすごい。これは面白い。
 
内定獲得に向けて共同戦線を張る若者群像…ではない。仲良さげだがどこかギクシャク、どこか噛み合わない。主要人物5人、よく観ていると明らかにグループ分けができる。これが本作のミソ。
 
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ギクシャクを伝える目線。わざと絡ませない目の演技。心理戦。佐藤健と二階堂ふみが演技派本領発揮。二人のバトルに痺れる。
 
菅田くんのキャラの使い分けにホレボレ。架純ちゃんはもっと映画に出るべきだ。岡田将生が「重力ピエロ」以来の良さ。山田孝之はいつも良い。
 
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トレーラーのイメージはポップで爽快。全然違うが大丈夫か。終盤、演劇畑の監督らしく突然差し込む舞台的演出。結構、映画偏差値は高い。豪華キャスト目当てだと危険。
 
答えも出してない。拓人が何かに気付いて終わる。答えを欲しがる方は消化不良。hiroは終幕後の「明日の拓人」の前途が明るい終わり方がむしろ好き。
 
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自分が何者か。大人だってわからない。自分が何をやりたいか。それならわかる。ところが「就活」というシステムが邪魔をする。システムはやりたいことを見えなくし、自分が何者かわからなくする。本作、ちょっとダークな自分探し。そういうの好きなんだよな。
 
社会人として思う。「どこの会社に入りたいのか」は重要でない。会社が目的? 裏切られたらどうする? なくなったらどうする? 「何をしたいのか」が重要だと思う。どこにいても、そいつはなくならないから。
 
歳をとるとどうも説教くさい。(笑)
 
 
 
hiroでした。
 
 
 
脚本8 映像7 音響7 配役9 音楽8
39/50