WOWOW鑑賞
これがアタシの生きる道③
好きこそ物の上手なれ
監督・脚本・製作:ノーラ・エフロン/原作:ジュリー・パウエル/ジュリア・チャイルド/音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:メリル・ストリープ/エイミー・アダムス/スタンリー・トゥッチ/クリス・メッシーナ/リンダ・エドモンド/メアリー・リン・ライスカブ/ジェーン・リンチ
1949年、外交官の夫ポール(スタンリー・トゥッチ)の赴任でパリ暮らしとなったジュリア(メリル・ストリープ)。環境に馴染めないながら明るい性格で前向きに暮らす。料理教室に通ったことをきっかけにフランス料理に目覚めたジュリアは、資格を取り、仲間三人とフランス料理の英語レシピづくりを始める。
2004年、夫エリック(クリス・メッシーナ)と共にニューヨークで暮らし始めたジュリー(エイミー・アダムス)。セレブな友人たちとの付き合いにも嫌気がさし、料理ブログを始める。テーマにしたのは実家にあったジュリア・チャイルドの本の掲載全レシピを一年間で再現することだった。
料理ブロガーから作家になったジュリー・パウエル、外交官の妻から料理番組で腕をふるう料理家になったジュリア・チャイルド。二人の二つの実話で構成。
二人ともふつうの主婦で、料理との出会いも劇的ではない。特別な才能があるわけでもない二人が成功したのは「好き」なこと。「何か」をするのではなく「好きなこと」をすることが継続の力。
生きた時代も場所も違う二人の女性。その人生を一冊の本を真ん中に置いて巧妙に絡ませた脚本が秀逸。きっかけ、挫折、夫の支え…共通のキーワードに沿って進むストーリー。趣向は違うが「ゴッドファーザーPART2」のよう。
最後の最後に接点が生まれかける。だが、現実はそうそうドラマチックではない。この辺の緩急も素晴らしい。
ジュリアにメリル。劇中に三度、ジュリアのテレビ出演シーンがあり、そのうちひとつは本人映像。背が高くて体格もよく、早口で高い声でケラケラと笑う。メリルが感動的にそっくり。ジュリーにはエイミー。本人画像とやはりそっくり。やはり感動的。
支える夫にトゥッチとメッシーナ。「それでも恋するバルセロナ 」のメッシーナ…あのうざい婚約者。今回はいい役。そしてトゥッチ! いいな、ホントにいいな。「Shall We Dance ?」で「バーレスク」で「トランスフォーマー 」で「スポットライト 」で…観るたび同じ顔なのに別人だもの。
仕事や家事に忙殺される時間。会社のため、家族のため…それも大切。自分のため、は? って思ったことありませんか? ジュリーとジュリアにとっての料理は、自分のアイデンティティだったのではなかろうか。
hiroでした。