WOWOW鑑賞

 
SNSという魔法に踊らされた群像劇
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ソーシャル・ネットワーク
 
監督:デヴィッド・フィンチャー/脚本・製作総指揮:アーロン・ソーキン/製作総指揮:ケヴィン・スペイシー/音楽:トレント・レズナー/アッティカス・ロス
出演:ジェシー・アイゼンバーグ/アンドリュー・ガーフィールド/ジャスティン・ティンバーレイク/アーミー・ハマー/ジョシュ・ペンス/ブレンダン・ソング/ラシダ・ジョーンズ/ダコタ・ジョンソン/ルーニー・マーラ
 
ハーバードの学生マーク(ジェシー・アイゼンバーグ)は恋人にふられた腹いせに女子学生の写真を集め、エドゥアルド(アンドリュー・ガーフィールド)ら友人の協力で人気投票サイトを作って公開。その夜、一晩でハーバードのサーバーはダウンし、マークの名は知れ渡る。伝統あるボート部のウィンクルボス兄弟(アーミー・ハマー)はマークに目をつけ、学内の自己紹介サイトを立ち上げようと持ちかける。
 
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再見。初見時はマークが嫌な奴すぎて、常識派エドゥアルドがかわいそうで、完全マークが悪役目線。だから本作もあまり好きではなかった。
 
今回は、意識してマークをガン見。そしたらマーク、相変わらずしょうもない奴(笑)。ところが、エドゥアルドもアホ面を下げていた。ウィンクルボス兄弟も、ショーン(ジャスティン・ティンバーレイク)もみーんな滑稽で。
 
皆が皆SNSという魔法に踊らされる。そういう風刺だったのか、今さら気がつくアホ面がここにも。アホは思う、これおもろいやん。

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意外なほど女性が少なく、男くさい話。「キャロル」のルーニー・マーラといい、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のダコタ・ジョンソンといい、華はあるのに。
 
男性陣も華やか…といってもジャスティン以外は当時知らなかった面々。主演ジェシーは近作「グランド・イリュージョン見破られたトリック」で雨をも止める。アンドリューは「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ、アーミー・ハマーは「ローンレンジャー」等々…みんな凄い。

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男臭い中で垣間見られる友情。ただし熱くはなく、もっと粘着質。劇中のマークはさびしがり屋で、友達のつくり方がわからない。なので「フェイスブック」は、真に彼が欲していたサイトなのではないか。
 
しかし、時流に乗った。サイトはどんどん成長し、マークはのっかているしかない。エドゥアルドがキーボードを叩きつけて決別するシーン。エドゥアルドの後姿を追うマークの表情が、本当は一緒にやりたいんだろうな、という想像を掻き立てる。もう、恋にも似ている。

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時代の寵児マーク・ザッカーバーグ。存命の人物の半生を映画化するという異例も話題になった本作。リアルな彼を知らないし、自信家で早口で自分勝手で横柄な映画のキャラから、のっけから拒否反応。
 
当時、観る目がなかったのだろう。ちょっと視点を変えるだけで違う映画に変身。これがあるから、映画っていい。

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「フェイスブック」…マークがいなくても、きっと誰かがやっていた。SNSという魔法に踊らされた彼ら。そして、今、電車の中で液晶画面を凝視している人々も、踊らされているのかも。もちろん、hiroも、あなたも含めて。
 
 
 
hiroでした。