48本目(6月25日鑑賞)


言葉不要のエンターテインメント

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マッドマックス 怒りのデスロード


監督・脚本・製作:ジョージ・ミラー/脚本:ブレンダン・マッカーシー/ニコ・ラソウリス/撮影:ジョン・シール/美術:コリン・ギブソン/音楽:トム・ホルケンボルフ/ジャンキーXL

出演:トム・ハーディー/シャーリ-ズ・セロン/ニコラス・ホルト/ゾーイ・クラビッツ/ロージー・ハンティントン=ホワイトリー/ライリー・キーオ/アビー・リー/コートニー・イートン/ヒュー・キース=バーン


戦争により文明が崩壊した世界。砂漠を放浪していたマックス(トム・ハーディー)は、貴重な資源である水と石油を手に入れて力を得た独裁者イモータン・ジョー(ヒュー・キース=バーン)の手下に捕まり、輸血用の血液として獄につながれていた。そんな折、女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)がジョーの5人の子産み女を連れ出して逃亡する。追跡隊を組織するジョー。マックスも「輸血袋」としてウォーボーイ・ニュークス(ニコラス・ホルト)に繋がれて追跡に巻き込まれる。


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「怒濤」という見ないと書けないこの漢字。画にするとこれ。逃走者と追跡者。フュリオサとニュークスはマックスと観客を連れて、怒濤の戦場へ。


フュリオサと女たち、ニュークス、マックス。敵か味方か三つ巴の心理戦。共通の敵を見出したフュリオサとマックス。心地いいほどの連携プレー。そこに言葉はいらない。


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失意のニュークス。受け止める女。そこに過去はない。あるのは今を生きる本能。そしてあの女たちも、本能のまま生きていた。


損得じゃない人間関係がいい。損得に雁字搦めのジョーと戦士たち。予告しよう、お前たちは2時間後にはマックスの前にひれ伏す!(笑)


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迫力のカーチェイスはみなさん絶賛。どこから撮影してるんでしょうね。


造型も絶賛。ウォー・タンク、ヤマアラシ、ドラムワゴン…考えるのが楽しそう。


アクションも絶賛。振り子隊はシルク・ド・ソレイユからの発想か。


音楽も絶賛。みなさん口々に語っているのが和太鼓。岩代太郎は絡んでいないらしい。


男くさい画をイメージして観るもんだから、女たちの美しさに息をのむ。そりゃそうだモデル出身とかそんなんばっか。


オープニングはブロ友てんねんどんさんの指摘に納得。あれね、「スターウォーズ」のオープニングですよね。ジョーの呼吸音なんかも、ダースべイダーのそれに似てたし。

どれも語りつくされている。hiroらしくここは「言葉」で攻めよう。


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脚本がすごい。マックスは寡黙。余計なことは話さない。冒頭以外説明もない。それでも、わかる。セリフがなくても、画で、流れで、展開でわかる。その構造、その工夫に頭が下がる。


言語は便利だけど閉鎖的。通じる範囲が限られる。同じ国、同じ民族にしかわからないニュアンスや裏の意味。言語は便利だけど一方的。観る者に容易にイメージを伝えられる一方、想像の余地を与えなかったりもする。

無駄な言葉はいらない。映画というエンタメを共通言語になし得たのはベテラン監督の技。最近、ブログの文字数が多いhiro。もっと工夫して、もっと丁寧に。まだまだ勉強不足のようだ。


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各方面で絶賛の本作。上げ足を取るに取れない。単純なストーリーは、想いをストレートに伝えるため。少ないセリフも伝える方策は万全。120分と尺もジャスト・フィット。あえて言うなら闘い闘いの連続で、疲れることくらいか。


マックスの個性が出てない?…前シリーズからそうだし、それはそれでちゃんと受け継がれてるんじゃないかな。ちなみに前3作ともスクリーンで観ています。はい、そんな歳です。


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ジョーを演じたバーンが第1作「マッドマックス」のラスボスだったことをパンフで知って驚き。5人の女たちも「X-MEN:ファースト・ジェネレーション 」のゾーイ・クラビッツ、「トランスフォーマー ダークサイドムーン」のロージー・ハンティントン=ホワイトリーなど、これから出てくる原石がズラリ。ゾーイとニコラス、X-MENつながり。


困ってる人を助けるのがマックス。トムはちゃんとマックスでした。ニコラス、おいしい立ち位置。最後にはやられた。なにより主役級のセロン。とにかくカッコいい。


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この夏、シリーズ大作がひしめく。中でも「ターミネーター」「ジュラシックワールド」など久しぶりのリメイクが目を引く。本シリーズの最終作「マッドマックス サンダードーム」から30年という間隔は最長。それを同じ監督が撮るというのも粋で意義のあること。


作品イメージからか男性客が多い。バイオレンス色もそれほど濃くなく、セロンはじめ女たちが強い。興味はあるけど…という女性の方、アクションエンターテインメント作品です。大丈夫だと思います。




hiroでした。


TOHOシネマズ日本橋にてTCX/3D/DOLBY-ATMOSを初体験。映像・音響どれも十分なクオリティ。いつも行く109シネマズグランベリーモールのIMAXと比べるとスクリーンサイズ、音響ともIMAXの方が好き。ただし、109のIMAXはサービス料金対象外。いつ観てもIMAX3Dだと2300円。TOHOさんはサービス料金に600円上乗せ。鑑賞日によって使い分けかな。


脚本9 映像9 音響10 配役8 他(音楽)9

45/50