36本目（5月11日鑑賞）
信じてもらうことが力になる
ビリギャル
学年ビリのギャルが
１年で偏差値を40上げて
慶応大学に合格した話
監督：土井裕泰/脚本：橋本裕志/原作：坪田信貴
出演：有村架純/伊藤淳史/吉田羊/田中哲司/大内田悠平/奥田こころ/あがた森魚/野村周平/安田顕
中高大一貫の私学に入学以来、一切勉強をせずに学年ビリの成績になったさやか（有村架純）。高２時にある事件で友達をかばって停学となり、そのまま上がれると思っていた大学も絶望的に。母のああちゃん（吉田羊）が見つけた塾に通い、一般受験することにする。その塾は、学校の授業についていけずにはじき出された子供たちが集まる「子別」指導がウリ。そこで出会った講師の坪田（伊藤淳史）のポジティブな教えで勉強の楽しさを知り始めるさやか。目標にしたのは私大の雄・慶応義塾だった。
Sakuの曲が使われていなかったら観に行かなかったかもしれない。なにやら評判でもある。Sakuの応援がてら観に行くか、とシアターに足を運んだというわけ。ところがこれが、いいんです。笑えて泣けて勇気をもらえて。
有村架純主演でまさかの「泣き」。これは最大級の褒め言葉。最近似た経験をしている。新垣結衣×「くちびるに歌を 」の組み合わせ。アイドル認識の女優が一皮むける瞬間、実にエキサイティング。
「無理に決まってる」と自分の限界を勝手に設定して何にもしない人、そう刷り込んで安全な道を歩かせようとする周囲の人々。そういうのが嫌い。信じてくれる人がいれば力になる。自分が自分を信じていれば強くなれる。大の大人にもいっぱいいる。これは、いろんな世代の方々に観ていただきたい一本。hiroのツボにはまった一本。
一人の少女の意地と根性が周りを変える。バラバラだった家族もひとつにまとめる。彼女は特別な子じゃないんです。隠れた才能があるわけでもないんです。小４レベルと言われた学力を１年半、睡眠時間もろくにとらずに努力した結果。彼女はあなたです。
ご存じと思われますが、これは実話をもとにしたストーリー。１日15時間の勉強…体にいいわけない。でも、そこまでやってダメだったのと、何もやらないでダメなのとは、ぜんぜん意味が違う。人はやった分だけ力になる。やった分だけ人としての厚みを増す。
土井監督はいいですよね。「涙そうそう」「ハナミズキ 」…等身大の人物の描き方がうまい。本作「大学合格の裏ワザ」的なネタはそれほどない。難関大学に合格した奇跡を描いているんじゃないから。一人の少女が変わっていく様を、その周りも変わっていく様を描いているから。小ネタの余計な時間を省き、テンポよく進めます。
呑み屋のシーンは無駄になったかな。坪田先生のキャラの掘り下げがもう少しあってもよかったかな。…求めすぎですね。
講師坪田を演じた伊藤淳史が魅力的。本作を観た女子中高生の中に「こんな先生、いてほしい」と思われた方が多いのではないか。（男子は架純ちゃん目当ての子が多いのかな）
この坪田の対極に君臨する学校教師西村がいい…いやクズだ…だからいい。安田顕の、ヤスケンの存在感がいやらしい…いや、いい…つまりはサイテーなキャラだ。
もう一人のクズキャラがさやか父。田中哲司だ、タナテツだ。さやかと父の関係性が、とてもうまい。クズ父は名誉を挽回することができるのか。それは観てのお楽しみ。
気がつけばシアターはお客さんがいっぱい。平日夜なのに、いろんな年齢層の方がいらっしゃる。ジジババカップルから、中高生、会社帰りに一人で来ている疲れた顔のサラリーマン（hiroのこと）。上映中、私語はまったくない。それでいて笑うところは声出して笑い、感動シーンではすすり泣きも漏れ聞こえる。やけに近く聞こえると思ったらhiro本人のすすり泣きだったりする。みんなが作品世界に入り込んでいる、理想的な鑑賞環境が出来上がっているような気がした。
劇中流れるSaku「START ME UP」がはまる。こんなに印象的なシーンで使われるとは感激。「だからあと少し あと少し あたしも強くなりたい」…ひいき目なしでいい曲だと思った。エンディングのサンボマスター「可能性」も背中を押してくれる応援歌。エンドロールでキャストが唄って（口パク）いるのが楽しげ。
名古屋・栄の風景が懐かしい。名古屋言葉もなんか嬉しい。書きたいことが止まらない。長いブログは嫌われるので、この辺にしておこう。
世間の評判は知らんけど、hiroはこの作品、とても好き。
架純ちゃんは今までで一番かわいかったし。
以上！
ホンマもんの坪田先生。
淳史君似とるがや。
hiroでした。
脚本９ 映像７ 音響７ 配役８ 他（メッセージ）１０
計４１/５０