34本目(5月1日鑑賞)

 
壮大な人間ドラマとなって完結
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寄生獣 完結編
 
監督・脚本・VFX:山崎貴/脚本:古沢良太/原作:岩明均/特殊メイク・造型:藤原カクセイ/キャラクタービジュアル:柘植伊佐夫/音楽:佐藤直紀
出演:染谷将太/深津絵里/阿部サダヲ/橋本愛/東出昌大/余貴美子/北村一輝/國村隼/山中崇/岩井秀人/オクイシュージ/豊原功補/新井浩文/ピエール瀧/浅野忠信/大森南朋
 
人間とパラサイトとの共存の道を探る田宮(深津絵里)。右手にのみ寄生したミギー(阿部サダヲ)と新一(染谷将太)の存在を彼らの希望として保護しようとするが、抗戦派の後藤(浅野忠信)、市長の広川(北村一輝)らとの対立は深まり孤立していく。
 
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ミギーとの共存による新一の身体能力の向上→パラサイトとの闘いの日々、という図式にブレーキをかけるのが田宮。自らの出産でパラサイトに繁殖能力がないことを知り、生きるための共存の道を探る。物語のキーである。
 
田宮が自分が生まれた理由を模索し、葛藤する一方で、人間がパラサイトを作り、人間が人を食えと言っている、という後藤。人間VSパラサイトという図式は完結編に至り様相が一変。

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ドラマに重点が置かれた本作。人間の存在理由、環境破壊、種の保存、命のリレー…壮大ゆえ説明的にもなりがちなところ、くどすぎず、適度なセリフ量だったのが好印象。
 
そこに力点が置かれた分、グロは控え目…このレベルなら大丈夫。ただ残念なことに、アクションまで控え目に。「人間の動きじゃない!」という新一の格闘。それほどではなかったし。
 
アクション、VFX等々前編 よりも良くなった部分が多くはない。「ターミネーター2」を思い起こす後藤との決戦シーンは、山崎ブランドらしくない粗さ。2作通して観て、楽しませていただいた、という感じ。

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抜けた存在感だったのは深っちゃん。ずーっと笑顔なし抑揚なしの演技は、このクライマックスのため。
 
浅野のエンタメアクションはいい。ガタイもいいので様になる。今後も観たいが、すでに大物だということがネック。ピエール瀧は、役への入れ込み度がすごい。新井浩文も然り。
 
大森南朋が大活躍。染谷くんが強い。変だ、この二人が頼もしく見える。そしてミギーに至っては、もう阿部サダヲの顔が見えてくる始末。
 
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PG12とは思えない前編のグロさは引けた。金曜ロードショーでまともに放送できない始末。R15の「神様の言うとおり 」のほうがソフトな印象。完結編は意識したのか。

5カ月は開けすぎ。すでに前編鑑賞時のモチベーションは薄い。ハリウッドではよくあることでも、「るろうに剣心 」「ソロモンの偽証 」等、間隔を短くして集客に成功した好例を無視することもないと思う。

作品そのものの評価と別のところで、いくつか省みるところがあった作品でした。




hiroでした。


 

脚本7 映像7 音響6 配役8 他(VFX)8

35/50