DVD鑑賞

 

 

故意でなくとも人は嘘をつく

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白ゆき姫殺人事件

 

 

 

監督:中村義洋

 

原作:湊かなえ
脚本:林民夫
音楽:安川午朗
出演:井上真央/綾野剛/菜々緒/蓮佛美沙子/金子ノブアキ/小野恵令奈/大東駿介/宮地真緒/草野イニ/芦川誠/朝倉あき/谷村美月/TUKEMEN/染谷将太/ダンカン/秋野暢子/貫地谷しほり/生瀬勝久

 

 

化粧品会社のOL三木典子(菜々緒)の遺体が山中で発見された。ニュース番組制作会社の契約社員・赤星(綾野剛)の元に、知人で被害者の同僚だった里沙子(蓮佛美沙子)から連絡が入る。駆け付けた赤星に里沙子は「城野美姫(井上真央)が犯人じゃないか」と証言する。

 


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もう認めないわけにはいかない。「湊かなえは面白ェ」と。

 

人の負の部分を晒した「告白」。困ったことに思い当たることしきり。ラストに共感さえ感じてしまう不謹慎。映画も同じ。その後、湊さんの小説は未読。

 

 

北のカナリアたち 」は、小説「往復書簡」の構成力だけでない、ストーリーテラーとしての力も実感。

 

 

 

中島監督、阪本監督…個性派監督の「個性」に彩られて映像化。湊かなえは映像との相性がいい。

 

 

 

で、本作。「告白」パターンと想像。当たっているけど、また脱帽。OLあるあるで始まり、また共感沼にズルズル。そのくせ最後にホロリ。困った、読みたくなった。

 


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マスコミに近いところで、働かさせていただいている。とてもわかるインタビューあるある。聞き手は引き出したい答えがある。悪気はなくても、それを引き出す質問になる。話し手にも伝えたいことがある。悪気はなくても、余計な事柄は端折ったり捏造したり。編集されリリースされたとき、得てして事実はどこにもなかったりする。…こともある。

 

 

 

正しい報道でも、必ず誰かの「考え」が介在する。「報道は嘘」と言うのは酷。ちゃんとお仕事をされている方はたくさんいらっしゃる。受け手も読み解く力が必要。

 


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証言によって微妙に変わる再現映像。真逆ジャンルながら「大洗にも星はふるなり 」と同じ手法。役者の腕の見せ処。挑戦したのは井上真央。再現ごとに違う表情。「真央ちゃんスゲェ」と正直思う。高校の後輩だからというわけではなく。

レイクちゃんこと菜々緒は適役。推し女優・蓮佛美沙子がよすぎる。宮地真緒もお久しぶり、お元気そうで。よく知らないけど小野恵令奈もあるある。このOLたち、まるであのテレビドラマのよう。怖い。

さだまさしご子息率いるTUKEMENも、そろって登場。音楽でストーリーに食い込む。テレビ局スタッフもムカつくほどの好演。染谷君だけ、染谷君でなくてもいい役。

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「あっけにとられる」事件の真相。捻じれた人間関係で起きた事件。終盤の美姫の独白が、推し監督中村義洋の優しさが滲み出ていて、救われる。

 

 

ニュース番組とワイドショーの境界線がいつの間にか曖昧。女子アナとキャスターの違いも然り。NHK「クローズアップ現代」をほっこり視聴している人、hiroばかりじゃないよね。

 

 

hiroでした。
これは劇場で観てもよかったな。

 

 

 

 

 

 

 

(今年公開なので採点だけしてみた)

脚本7 映像7 音響6 配役8 他(構成)9
37/50