HDD鑑賞

 

 

これってホラーだったのネ!

 

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ジョーズ
 
監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作・脚本:ピーター・ベンチリー
脚本:カール・ゴッドリーブ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ロイ・シャイダー/ロバート・ショウ/リチャード・ドレイファス/ロレイン・ゲイリー/スーザン・バックリニー/マーレイ・ハミルトン

夏の観光収入に依存している米東海岸のアミティ島。海開きを間近に控えたある日、海岸に女性の遺体が打ち上がる。赴任して初めての夏を迎える警察署長のブロディ(ロイ・シャイダー)は、鮫の襲撃による死と考え、市長のボーン(マーレイ・ハミルトン)に海岸の閉鎖を求める。収入減を懸念するボーンは、ブロディの提案をもみ消し、死因を事故と公表した。
やがて、何も知らされずにビーチで遊んでいた少年も被害にあい、駆けつけた海洋学者のフーパー(リチャード・ドレイファス)も鮫の襲撃を確信する。そんななか漁師が鮫を捕獲。歯型の大きさが合わないと主張するブロディとフーパーの声は無視され、予定通り海開きを迎えるが、漁師、観光客と犠牲者が続出する。
ブロディはボーンを説得し、ブロディ、フーパーと、高額な報酬を要求する古参の漁師クリント(ロバート・ショウ)からなる捕獲チームを結成し、海へ出る。
 
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ハメをはずした若者が犠牲になり
 
何十年ぶりだろ、これちゃんと観たの。昔はよくテレビでやってたのに、とんと見なくなり。放送していただいたBS-NHKさんに感謝。
結構覚えてるもんですね。で、覚えてるのに面白い。これは間違いなく名作。で。改めて気付いたことをいくつか。
 
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警告してもお偉いさんは聞く耳をもたず
 
昔テレビで観てた頃はパニック系として観てた。今回もそのつもりでしたが…たしかに動物パニックではあるのです…でもですね…これ、ホラーですか? 画の明るい、真夏の太陽の下の爽快ホラー。(笑)

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男・ブロディ署長と
 
①はしゃぎ過ぎてハメをはずした若者が犠牲者第1号になる。
②異変に気付いた主人公が地域(または施設)の閉鎖を要請する。
③金や利権が絡み警告は無視される。
④被害は拡大する。
⑤敵はなかなか姿を現さない。
⑥襲撃時、敵の目線が差し込まれる。
⑦終盤はバトル。
ね。ホラーのセオリーを踏んでません? というか、このセオリー「13日の金曜日」あたりで確立したかと思ってましたが、実は原点はここにあったのですかね。
…恐いといえば、本作の前のスピルバーグ作品「激突」も怖かった。意思のないトラックがまるで…、別の機会にしましょうね。

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鮫に詳しいフーパーと
 
もうひとつ、メイン3人のキャラがめちゃめちゃたってる。
ブロディは真面目、仕事熱心…ここまで前から思ってましたが、今回気付いたのは、仕事における中間的な立場も案外こなしてるってこと。危険だとは思ってるんだけど、市の財政もわかる。なので、「気のせいだったかも」とちょっと躊躇をみせる。それがリアルな現実、リアルな社会。
フーパーは鮫オタク…「大洗でも雪はふるなり 」の山本君と同じ。金持ちだけど、それを鼻にかける風もない。それどころか、それなりの経験をちゃんと積んでる。自信と実力と資産がある。欠点はプライドが高いところくらいか。
クリントは前に抱いていたイメージどおりだったけど、かつて鮫に襲われたエピソードに、原爆が関連していた(すっかり忘れてた!)とは驚き。

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命知らずの漁師クリントと
 
まだある。主演のロイ・シャイダーは当時からメジャー。リチャード・ドレイファスも、「アメリカン・グラフティ」の人ね、くらいの知識はあった。驚いたのがロバート・ショウ。記事を書くのにツラツラっと調べて知った。2大スター競演なのかと思ってたら、実はこのショウさんもスター、実は3大スター競演。この命知らずの漁師クリントを演じたベテラン俳優は、「スティング」で見事騙される黒幕ロネガンをやってたのね。
実はこの「スティング」。hiroの生涯ベスト3に入る傑作。シアター、テレビなどで何度も観てる「スティング」なのに、レッドフォード(生涯ベストアクター!)とニューマンばっか観てて、他の方、一切眼中なしだった。hiroも歳とって、少しはまわりが見られるようになったのかな。
ちなみにドレイファスの「アメリカン・グラフティ」も生涯ベスト3。(笑)

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人喰い鮫との死闘が始まる。
 
調べてみて、原作があったこと、原作者がレポーター役で出演していたこと、スピルバーグと原作者が映画の仕上がりについて喧嘩したこと、鮫がしょっちゅう故障して撮影が滞ったこと、時間も予算も激しくオーバーしたこと…、初めて知ったことが山ほどあった。
時間を経てから観直すというのは、新しい発見に溢れている。劇場で観たら、また違う発見があるんじゃないかな。
 
hiroの好きな音楽のことも。ウィリアムズの音楽、映画音楽史上最も怖いと言われているけど…、クライマックスの音楽、もう少し長く聴いてみて。三人の男たちの勇壮な応援曲になってるから。

この時代にこのクオリティ。大ヒットしたことも頷ける、映画史の1ページを刻んだ一本。撮影技術が進化した今、リメイクしたらきっとすごいリアルになるんだと思うけど、本作みたいな恐怖と爽快感、再現できるのかな。
 
 
 
hiroでした。
バックドラフト 」で暑さに拍車をかけたあと、
本作のロケーションと恐怖で涼みました(笑)