40本目(8月7日鑑賞)
ウイリアム・テルに胸躍る!
監督・製作:ゴア・ヴァービンスキー
制作:ジェリー・ブラッカイマー
脚本・原案:ジャスティン・ヘイス/テッド・エリオット/テリー・ロッシオ
撮影:ボジャン・バゼリ
編集:ジェームズ・ヘイグッド/クレイグ・ウッド
音楽:ハンス・ジマー
出演:アーミー・ハマー/ジョニー・デップ/ルース・ウィルソン/ジェームズ・バッジデール/ブライアント・プリンス/ウィリアム・フィクナー/トム・ウィルキンソン/ヘレナ・ボナム=カーター
囚人を護送する汽車から殺人犯キャベンディシュ(ウィリアム・フィクトナー)が脱走する。故郷に判事として着任するために汽車に乗り合わせていたジョン(アーミー・ハマー)は、ネイティブアメリカンの悪霊ハンター・トント(ジョニー・デップ)と共に騒動に巻き込まれるが、九死に一生を得る。
町に戻ったジョンは、テキサス・レンジャーの兄ダン(ジェームズ・バッジ・デール)らと共に、キャベンディッシュの追跡に向かうが、彼らの罠にはまりレンジャーは全滅。ダンはジョンの目の前で殺されてしまう。
死を待つだけのジョンを救ったのは聖なる白馬とトント。マスクで顔を隠し、父の残したレンジャーバッジを胸に、「ローン・レンジャー」としてキャベンディッシュを追う。
ジョニデ作品とは相性が悪いのだが…
ジョニデの出演作って、話題にはなるので観ちゃうんだけど、どうも笑いのツボがわからない。どこで(笑)とすればいいのかがね。テンポとか「間」もつかめない。人気のパイレーツシリーズも、第1作は刺激的だったけど、2作目以降はダラダラ感にお手上げ。今作も同じスタッフ。予告を観た感じでも、ジョニデのメイクばかり気になって。まあ、「こんなもんかな」とハードルは低めの設定にしたんです。それもあったのかもしれないけどさ…
これ、めっちゃめちゃおもろいやんか~!!!
最初は、「あ。これがジョニデで、懐古談が始まるのね」と予想はつく。で、語る順番がいきなりクライマックス。ちょっと待て、とストップがかかる。で、出会いから語り直すんだけどね。この、いきなりのクライマックスで華々しいファンファーレ。運動会だ。ウイリアムテルだ。…補足。この、ローン・レンジャーって、大昔にテレビでやってたんだよね。で、強がりじゃないけど、hiroも観たことがない。パンフによると1933年からラジオドラマ。1949年からテレビドラマ。当時の子供たちを熱狂させたようです。そのテーマ曲がウイリアムテル序曲だったんだそうです。んなこと言われても、当日シアターにいた人のほとんどは知らないのですよ。…で、この物語のテーマ曲はこれですよって、教えてくれる効果をもたらす。いきな演出!
ジョニデのトントもなぜかテンポが良い。間がよい。セリフのスピードがよい。メイクもいい。うっすら口髭も見える(笑)。ちゃんと笑える。
ジョンのハマーはまどろっこしい。いらつく。ええい、煮え切らない奴。だからいい。トントと間逆。凹凸がぴったりはまる。この二人はセットでないとあり得ない。
悪役は悪役らしい。ホントの黒幕も、思い返せば最初から悪役らしい匂い。ネタバレ絡みなので、ほどほどに。
「ハイヨー、シルバー」って流行ったらしい。
hiroが生まれる前だけどね。
いちばんぶっ飛んでたのが白馬。終幕間際に「シルバー」と命名されるこの馬。神出鬼没。木の上、屋根の上、汽車の上。どこにでも現れる。どこでも走る。終盤。逆転劇のはじまりを告げる白馬の登場は屋根の上(笑)。鞍上はジョン。ファンファーレ。ウイリアムテル。屋根から屋根を跳び移る。東京競馬場の障害レースか。いや違う。西部のヒーローショーのはじまり、はじまり。
最近のハイスピード・アクションとは違う。蒸気機関車のスピード。そしてリズムが疾走する。馬の足音。そう、ギャロップ。パカラン、パカラン。ウイリアムテルがかぶさる。チャカラン、チャカラン。ギャロップに合わせて拳銃。パン、パン、パン。もうノンストップ。ジェットコースターなみの蒸気機関車。…映像と音楽…これはジマー・マジック! 敬愛してやまないハンス・ジマーの真骨頂だ~!
ジョニデの盟友・ヘレナも参戦。
まずはアーミー・ハマーに注目。誰だろ。調べた。「ソーシャル・ネットワーク」の双子だった。「Jエドガー 」のカレシだった。初のセンターか。投票したのは誰だろう。いいじゃないか。イケメンのくせに不器用でクソ真面目で気が利かないで自分のことしか考えないオンナに愛想尽かされそうなキャラ。現代風のチャラオではヒーローは務まらない。どうする桃李・綾野のガッチャマン。
ジョニデは割愛。一言だけ。今回は波長があったみたい。
ヘレナ・ボナム=カーターはジョニデ作品の常連。初心者のために一言。二人は恋人関係ではありません。実は曾祖父が英国首相というスーパーセレブ。
お兄ちゃんの壇…いやダンを演じたジェームズ・バッジ・デール。最近よく聞くぞ。調べた。「ディパーテッド」、「フライト 」、「アイアンマン3 」…観た。調べて、ああ、あの人か、というそこそこの役どころ。でも、印象に残らないのは損。おや。「ワルード・ウォーZ」にも。今日観てきたぞ。ああ、あの人か。
期待度が低かったけど、ブロガーのみなさんの評判がいい。悪口がない。「観なくていいかも」レベルだったはずが、この大絶賛。この興奮。今も残る高揚感。耳に残るファンファーレ。夏の思い出がひとつできた。
絶大な人気のパイレーツシリーズ。だけどあえて言いましょう。hiroはこっちの方が好き。
hiroでした。