土曜日は、北の工場の創業記念パーティだった。
パーティと言っても、従業員同士でチーム分けして対抗試合をし、その後にBBQで、それから飲み会という洗練とは程遠いものだ。
私が現地に到着した時にはすでにバスケットの試合が始まっていた。
みんな真剣だ。
フィリピンではバスケットが人気があり、日本人の友人がフィリピン人身体能力が高く、一緒にバスケしたが勝てなかったと言っている人もいた。
だが、私が見る限り、それほどみんながバスケうまいとは思えなかった。
バスケットの後がバレーボールで、これもみんな真剣だ。
私は、正直、彼ら彼女らの試合を見ながら苦痛だった。
そもそもが私はプロスポーツでもスポーツ観戦が好きではない。
観戦するくらいなら自分でやるという価値観だからだ。
また、観戦するのは、自分がその時やっているスポーツだけだ。
日本でフットサルをやっている時はサッカーを見ていた。
日本で空手をやっている時は格闘技を見ていた。
フィリピンでゴルフを始めた当初はゴルフを見ていた。
だが、今では何も見ていない。
まあでも、彼ら彼女らの試合を見るのは、仕事のうちただとニコニコしながら観戦した。
最後に大きな袋に両足を突っ込みぴょんぴょん跳ねてコーンを周るリレーをしていた。
フィリピン人は真剣だ。
毎回見る景色だが、日本からは無くなった景色だなと思う。
世の中全てのものにメリットデメリットがある。
情報科学の発展のメリットは計り知れないが、デメリットはこういう遊びに本気になれないことだろう。
近い将来、フィリピンからも単純なゲームに真剣になるという景色はなくなるのだろうなと思った。
あるいは、100年後の人類では逆に人が真剣になることも少なく、それに価値があるという価値観になり、単純なゲームに真剣になることが美徳という社会になっているかもしれないが。
その後、スタッフたちと飲みながら話した。
最初は、私の周りに来て話しかけてくる人はいない。
お酒が進むとだんだん話しかけてくる人が増える。
これもいつものことだ。
ある人事のスタッフが話しかけてきた時私は聞いた。
「フィリピン人にとってタトゥーはどういう位置付けになるの?」と
バスケットやバレーボールを見ていた時、知ってはいたが、やはりタトゥー、しかもかなり大量に体に書き込んでいる人が多いなと思った。
「私たちは気にしません」と彼女たちは言った。
私が聞きたいことはそういうことではないので、更に聞いた。
「もしさ、あなた方に彼氏がいて、結婚するってなって、ご両親に彼氏を紹介するってなった時に、彼にしにタトゥーが入っていて、ご両親はまったく気にしないの?」と投げかけた。
両親の世代だとあまり好意的に思わない人が多いかも、その人の態度によるとかいろいろ言っていたが、
まあ、欧米社会でも親の世代はタトゥー嫌いな人も多いのを知っているので、同じようなものかなと思った。
宗教的な意味合いのタトゥーもあるのは知っている。
でも、欧米やフィリピンで見かけるのは、それではなくファッションだということも私は知っているが、
日本のメディアを見ていると勘違いしているように思える。