東京でビジネスを始めて、一度は成功を収めた矢崎学(伊勢谷)。
帯広にいる母(草笛)や兄・威夫(佐藤)とは、13年も会っていない。
それどころか、学の結婚式に呼んだ兄に相手方との釣り合いが取れないから、母親は死んだ事に
してくれと頼む始末。
そんな弟の事を「東京で社長をやっている」と話してはみるものの、心の中では許していなかった兄。
学の会社が販売したサプリメントが薬事法違反に引っ掛かり、その上に死者まで出すと言う事件にと発展し
会社は、補償問題等から倒産せざるを得ない状況になってしまう。
本来なら、自分の会社の起こした責任を取る為に走り回っている筈の学は何故か帯広のばんえい競馬場にいた。
競馬場で、知り合った丹波に教えられて全財産を叩いて買った「ウンリュウ」だったが、結果は散々であった。
一文無しになってしまった学は、仕方無しにばんえい競馬の馬の調教をする厩舎を訪ねる。
そこは、兄・威夫が経営する厩舎であった。
突然現れた学に訳も聞かずに、翌朝から厩舎で働く様に命じる威夫。
そこで、再会したのは年間100万円の賞金が稼ぎ出せない馬は、馬肉になる運命と笑われた
昨日、学を一文無しにした「ウンリュウ」だった。
母は、施設に預けているとそれだけしか教えてくれない兄。
馬肉になる運命を背負っている「ウンリュウ」の世話をしながら、何かを感じ取る学。
稼ぎ頭の馬が腸ねん転で倒れてしまった。
小学生の時、学と同級生だった加藤テツヲ(山本)が、おぼつかない足取りで大きな雪の玉を持って
屋根の上に上がって行く。
屋根の上に雪の玉を置く事により、神様に願い事をしている印なんだと言うテツヲが作ったジンクス。
屋根に雪の玉を置いたテツヲは空に向かって願うのだった。 「どうか、馬の病気を治して下さい」と。
厩舎で生活しながら、確実に変わって行く学の心。
これからも、厩舎で兄と一緒に働いていくのであろうか…?
《***》
東京国際映画祭で4冠に輝いた作品。
予告も見ていたし伊勢谷君も出ているのだが、もう一つ興味を惹かずにレンタル作品となった。
監督は、大好きな作品「遠雷」の根岸吉太郎監督。 監督らしい朴訥さも出ていたと思う。
何に驚かされたかと言うと、出演人の豪華さにびっくりした。
兄・佐藤浩市 弟・伊勢谷友介
獣医・椎名桔平 女性騎手・吹石一恵 金持ちの高利貸し・山崎努 馬主・津川雅彦
厩舎仲間・香川照之 学の仕事仲間・小澤征悦
が、これ程に豪華出演人の割には、それ程心打つ場面が無かったのが残念。
兄にしてみれば、東京でチャラチャラと仕事をして来て、駄目になって逃げ出してきた根性の無い弟。
弟にしてみれば、兄と母に会って最後の砦の生命保険で会社の尻拭いをしようとまで考えていたのに
誰も、自分の気持ちなど分ってくれない…。
そんな気持ちが分ってくれるのは、同じ様な窮地に立たされている「ウンリュウ」だけなのである。
どちらかと言うと、男の作品なんだけれど皮肉にも小泉今日子と吹石一恵が良かった。
特にそんなに演技派と言うイメージの無い吹石の騎手振りは見事だった。
これだけの曲者の役者陣が出演しているのだから、もうちょっと兄弟に絡んで欲しかったなァ~。
しかもラストは、「なんじゃそら?」で終っているのでありますよ。
「ウンリュウ」のガンバリ損かい? あんまりじゃ、あ~~りませんか?
佐藤浩市は、渋い役者になってきたよね。 車のCMなんて、メチャカッチョ良かったりするもんね。
伊勢谷君も、頑張って欲しいけどね。
もう少し生きるという事に熱さを魅せて欲しかったなァ~。 ばんえい競馬の様にね!!
《+++》
皆様、お正月早々浮気をしたりしていた私ですが、明日と明後日は山P主演の「白虎隊」が
放送されましてよ!
演技の程は、如何なのか? 番宣番組も録画だけして見ていませんが…!
若くして散り行かねばならなかった若人達の儚い人生を見ましょうぞ!
今日から始まる「花より男子2」も、9時から見るけれどもね!
とりあえず、お知らせまで…。 (誰に?)