弓  ジジイの願いは、死して尚貫く?!  | 新・伝説のhiropoo映画日記

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映画が好きだ。ドラマも好きだ。
そして、イケてる面はもっと好きだ。

そんな好きなものが詰まった日記、読んでみるかい。

 

2005・韓国     ★★★★☆☆

 

 

監督:キム・ギドク

 

出演:チョン・ソンファン  ハン・ヨルム  ソ・ジソク  チョン・グクァン

 

 

広い海上にポツリと見える、ボロボロの漁船と寄り添う様に繋がれるボート。

 

 

漁船の側面には剥げた観音像が描かれていた。  そこに吊るされているブランコ。

 

その漁船に住む、60歳になろうかと言う老人(ソンファン)と後数ヶ月で17歳になる少女(ヨルム)。

 

老人は、ボートで釣り客を運び漁船を魚釣に開放している。  

夜釣りが出来る様に客は寝泊りも出来る様になっている。

老人は、ボートで客を運ぶ時に買い物を済ませて来る。  少女が船の上から降りる事は無い。

 

 

年頃になった少女の存在は、釣客のアイドル的存在である。  

 

 

しかし、少女に馴れ馴れしい客には老人から躊躇せずに弓矢が放たれる。

客達の噂話から、少女が17歳になったら老人と結婚が決まっている。

又、少女は10年前に老人が何処からさらってきたのだという事。  

が、少女は老人に対して何の不信感も抱いていない。

 

この漁船は、魚釣の他に弓矢で占いを行なってくれる。

 

少女の両腕に五色の布を結わえ、ブランコに乗せる。  

ブランコにゆれている少女の向うに見える漁船の側面を老人が3本の矢を放つ。  

その刺さった場所で、少女が老人にどうなるかを教える。  聞いた老人が依頼主にそっと耳打ちして教える。

 

夜になると老人はたらいに張ったお湯で、少女の体を丹念に洗ってやる。

 

カレンダーの日付にバッテンを付けて行く。  何枚か後の日付には「結婚」と言う文字が読める。

2段になったベッドで下の段に眠っている少女の手を上の段から握り締めて老人も眠る。

少しずつ、客を運びがてら婚礼に必要な衣装や道具を揃えて行く老人。

寝室の鍵の掛かる戸棚に丁寧に仕舞われている。  ささやかな老人の楽しみなのだ。

それともう一つの老人の楽しみは、弓に太鼓を挟み二胡の様にした楽器を弾く事。

 

 

ところがある日の事、父親と一緒に釣にやって来た青年(ジソク)が少女の気持ちと運命を大きく変える。

 

 

 

 

 

 

 

《***》

 

 

 

大好きなキム・ギドク監督、最新作品を見て来た。

前回の「うつせみ」でもそう感じたのだが、作品が制作される毎に研ぎ澄まされた作品になって行く。

兎に角、無駄な物はドンドン排除されて行くという感じ。

 

「うつせみ」では、人妻と間男の間には一切台詞が無かった。

 

今回の作品では、老人と少女は一言も発する事は無い。  しかも船上の為、僅かな登場人物。

が、今回雄弁に話すのは、本来はこういう楽器は無いであろうが、韓国ニ胡に似た老人が弾く楽器。

ヒツコイぐらいに同じ旋律が流れるのであるが、嫌味な感じは全く無い。

 

今回の作品を見て「完全なる飼育 赤い殺意」を思い出した。

 

「完全なる飼育」シリーズは、凄く好きな作品ではあるが、この「赤い殺意」だけは大嫌いであった。

元々、「完全なる飼育」自体は実際にあった出来事を元に映画化されたストーリー。

最初は、高校生の少女を誘拐して一室に監禁するのだが、少女の事が大好きな男の気持ちに絆されて、

やがては少女の方も男を受け入れ恋愛関係になるという、一見すると男の(これが全然モテそうに無い)

自己満足の犯罪の世界なのだが、世間と遮断された毎日を送って行く少女にとって、男の愛だけが

自分以外のものとの繋がりになって行き、愛される喜びに気付くと言うラヴストーリー。

実際にあってはならないとは思うが、出会いは兎も角、こういう愛を受け入れる少女の気持ち等は

私は充分に有りだと思っている。

 

が、「赤い殺意」は新潟の拉致・監禁事件をヒントに作られているのだが、男と女の何かも分からぬ

 

小学生を誘拐して、自宅に囲うという設定もその後の出来事も含めて、嫌悪感で一杯になった。

その「赤い殺意」に設定がとっても似ている。  

が、「弓」の許せる所は、当初青年が少女の前に現れるまでは、少女は老人の事が大好きなのだ。

毎夜、手は握って眠るがそれ以上の可笑しな事をしない、自分を守ってくれる父親であり祖父であり

許婚であるのだ。  

勿論、船上以外の世界を少女は知らないからでは有るのだが、老人の目が本当に優しい。

青年に出会っていない少女は、老人に絶対の信頼を置いているし、これ以上無い笑みも見せる。

しかし、悲しいかな少女は青年と出会ってしまう…。 (赤い殺意も青年が家に忍び込んで、実情を知る)

 

 

台詞が殆ど無いので、寓話的でファンタジック世界が広がる。

 

 

しかし、少女の表情や老人の悲しい視線から、一挙に現実に引き戻されたりする。

 

少女役は「サマリア」ですぐに死んじゃう、いっつも笑っている高校生役のハン・ヨルム。

 

青年役は、ドラマなどは出演しているが、この作品が映画デヴューのソ・ジソク。

何処と無く、すっとぼけた感じが素朴で良かった。

で、渋い老人役を「オグ」 「清風明月」のチョン・ソンファンが、微妙な感じのエロジジイを好演している。

 

 

監督の3種の仁義・「水」「SEX」「暴力」も今回も少々変形してはいるが、形を変えてしっかりと存在していた。

 

 

やっぱ、監督作品は大好きだ。  それと共に次の作品が、もう待ち遠しい。  強欲な私…。

 

 

 

大好きなのだが、満点では無い。  でも、何処がどうだとは言えない。  一筋の泪はこぼれた。

 

ギドク監督ファンで、「完全なる飼育」好きな・つかさちゃんは是非見るべし!  見れると良いねぇ!

 

 

 

 

 

 

《+++》

 

 

 

 

腰が痛いです。  なんと、お約束通り大強行軍に雨の中出た私。

2時間半の睡眠時間で、不安はおおいに有りましたが、「えぇ~~い!」と8時半にお出掛け。

 

帰宅は、10時チョい過ぎ。  その間に「弓」を皮切りに4本の作品を見てまいりました。

 

そりゃぁ~、腰も痛くなるってばさ!!(汗)

自分のコメント欄に思わず「ばっかだなぁ~」と書きたくなるぐらい。  ホンマね。

 

その中で、生まれて初めての事にも遭遇しました。  それは又、その事が起こった作品の時にね。

 

 

 

昨夜は「14才の母」が始まった。

 

 

 

 

 

志田未来が、ごく普通の私立中学生・未希(14)を演じる。

 

可愛い少女の顔が、女に変わる時があったね。  さて、どうお話は進んで行くのか?

第1話は、人物紹介と妊娠の兆候が分かる所まで。

 

でも、公園なんか何か良く分からない所で結ばれる若い2人の描写は、手を握り合うだけ…。(う~~む!)

 

 

 

15歳で未婚の母役をやった杉田かおるは、27年前なんだって!  年を取る筈だねぇ。

 

 

私が中学生の時に「セブンティーン」に連載していた津雲むつみの「彩りのころ」をむさぼり読んだけれどね!

 

このコミックスの主人公の少女は高校生だったけれどもね。  ドラマにもなったね。
大人になってから読み返したら、そんなにタイシタ事はなかったけれど、
当時は結構ショッキングだったんですけれど。  (連載だったし…。)