始まりのはじまり

平成13年夏ごろだった。
 

 汗をかいた小太りのおっさんがハンカチで額をぬぐい玄関に立っている。
「私が、担当のマツモトキヨシと申しますっ!本日は自衛官採用試験をご希望ということで!」と息を上げて挨拶をした。その汗ばんだおっさんに怯むことなく「あ、どうぞ。」と洋間へ通した。

 

 その2週間前、俺のこれまでの20ほどある職の中に”公務員”がないことがどうも気になり、その選択の一つとして自衛隊を受験しようと当時の地方協力本部へ直接電話した。すると「担当をご自宅に向かわせます!」とのことで、よしこれで受験できると、その担当者を待った。

 

 しかし、5日経過したが担当は顔を出さない。その間連絡もなくただ待ちぼうけを食らった私は再度地方協力本部へ電話した。
地:「はい!地方協力本部です!」
俺:「私は、先日入隊したいと電話したOOと申しますが、

  そちらは来ると言っておきながら全く連絡もなくほった

  らかすっちゅうのはどういうことですか?」
  といきなりキツめの一発
地:「ほ、ほ本日すぐ伺わせますので、ご、ごご都合い、い

  かかでしょうか?」
俺:「大丈夫です、お願いします。」
地:「わ、分かりました!!」

そんなこんなのマツモトキヨシである。