矢野香（かおり）氏の心に響く言葉より…

《断言します。世界のトップリーダーは、誰よりも入念な準備をしています。》

「言葉で国民を鼓舞（こぶ）する政治家」といわれた元英国首相、ウィンストン・チャーチル。

「世界のCEOが選ぶもっとも尊敬するリーダー」(2013年PwC Japan 調べ) にも選ばれた、まさに世界のトップリーダーです。

彼は議会の何日も前から想定される野次への切り返しや受け流しなどの練習をしていたといわれています。

実は吃音（きつおん）という発話障害を持っていたともいわれる彼は、人前ではまったくその片鱗を見せませんでした。

連日の練習があってこそ、原稿なしで堂々としゃべっているように見えたのです。

もちろん政治家だけでなく、ビジネスパーソンも同様です。

「驚異のプレゼン」で聴衆を魅了するアップル創業者のスティーブ・ジョブズ。

彼もプレゼン前は、「何時間も真剣に練習した」とビジネスウィーク誌が伝えています。

例えば、5分間のデモプレゼンを行うために、チームは数百時間の準備を行い、ジョブズ自身も丸2日間のリハーサルを行いました。

うまくできないときの彼はイライラが募り、「ちゃんとできるまでくり返すぞ」と叫ぶ。

その姿は異常なほどだったとされています。

世界のトップリーダーであっても、このような事前の準備と練習があってこそ、自然に堂々と人前で話しているように見えるのです。

話のうまさは、生まれもった才能ではありません。

誰でも事前にやるべきことをやれば、必ず習得できる訓練可能なスキルなのです。

矢野氏は、こう語る。

『スピーチやプレゼンで失敗するのは、リハーサルをしていないからです。

つまり、単純に「準備不足」。

必要なのは、当日と同じ状態で全体を通してノンストップで話す練習です。

持ち時間が10分だったら、10分通して行う「通しリハーサル」です。

部分的に練習したり、座ったまま小さな声で話してみたりするのは「練習1回」とは数えません。

こうなると、事前に１度も練習していない、という人が多いのです。

聞き手を魅了する話の陰には、必ずリハーサルがあります。

リハーサルなしの成功はありえません。』

つまり、我々の多くは、「ぶっつけ本番」で、大事なスピーチや挨拶に臨んでいるということだ。

そのスピーチが大事であればあるほど、何か月も前から準備する必要があるというのに…。

だからこそ我々が、話が下手だとか、スピーチが失敗に終わった、などということは、当たり前なのだ。

準備の量が圧倒的に足りないのに、「うまくやろう」などということは、おこがましいにも程（ほど）があるということだ。

「話のうまさは、生まれもった才能ではない」

大事なスピーチの前には…

誰よりも入念な準備を重ねる人でありたい。

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