コロナ記【その4・ホテルへ】 | フーテンひぐらし

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永遠の放課後。文化祭前夜のテンションで生きたい。なかなか大人になれない。

 

★発症4日め
朝方、大量の発汗ですべてがびしょびしょすぎて目が覚める。寝苦しさが始めてなかった幸せ。
朝10時半に都から電話あって、今日の送迎車の到着が15:50になるとのこと。運転手さんからも電話が入るので知らない携帯番号でも出てくださいねとのこと。丁寧である。その時に昨夜38℃あったと告げたら「えっ…それが続いているとホテルではなく入院を検討しないとなのですが」と言われる。今は平熱だというと安心していた。やはりホテルはあくまで無症状および軽症者の収容先で、その指針が体温なのだろう(他にやばい症状がない場合)。

起きてみたら、本調子とまではいかないが身体がこれまでになくスッキリしている。大量発汗がよかったらしい。ありがとう解熱剤。そこから1週間留守をするので、びしょびしょになった布団カバー、シーツなどを一気に洗う。布団を干す。梅雨が明けた快晴でほんとによかった…!夫は昨日から発熱したとかで寝ているので「ついに発症か…」と思いつつ、そうなると後始末もあまり残せないので、頑張って家事をする。そしてうどんを作って食べる。ここでもたくさん汗をかいて、やっと身体に力が入った感じがする。思えば発熱してからいつも外で買って来てもらったものしか食べてなかった(昨日はおにぎりとアイスだけだし)ので、家でつくった身体にやさしいものの力を思い知る。みなさん、夫さんには最低限、病人のための食事をつくれるようにはしてもらって下さいね。離婚を考えるまでに発展しますから…!

運転手さんから14時すぎに確認電話がきたあと、きっかり15:50より少し早く「家の前に到着しました」の電話。すばらしいオンタイム。スーツケースをひいて出ると、デカめのタクシー(的なもの)が横付けされている。ちなみに運転手さんは席から降りず、リアハッチを自分であけてスーツケースを積まねばならない。これがなかなかしんどかった。車内には既に女性の先客がいた。
ホテルへと運ばれながら車内を眺めると、運転席と後部座席のあいだにはぴっちりとビニールが張り巡らされているが下はわずかーに隙間があいており、冷房が入っているために窓はすべて閉じられ、車内は密室。運転手さんはマスクと手袋のほかはごく普通のポロシャツとパンツしか身につけていない。後部座席の2人の客(おれたち)はコロナ陽性者だ。「これはなんとリスキーなお仕事や…」と運転手さんにひたすら頭が下がる思い。

ホテル前まできてびっくりする。エントランスのところに何人ものマスクをつけたスタッフの人が待機していてものものしい。我々の車が入ると同時に出て行くタクシーもいて、どんどん運ばれてきているのがわかる。下車すると「入り口の棚にお名前を書いた封筒があるのでそれをもって部屋に行ってください」と指示される。同乗の女性とエレベーターで距離をとりつつ(ていうか2人とも陽性者だからいいんだけどもう)ボソボソと「体調は大丈夫ですか?」「熱がやっと下がりました」「わたしもです…」と会話をして別れる。
部屋に入ってしばらくするとフロントから電話でいろいろ説明を受ける。その後、看護師さんから電話で容態や体温のことなど聞かれる。
荷物を片付けていたら18時、夕食の時間が来た。ここから19時までの1時間だけは部屋から出ていい時間。エレベーターでロビーまで下がり、ずらりと並んだお弁当を受け取り、レンジであたため、再び部屋に戻る。部屋着で何となく元気のないたくさんの人々が誰も口をきかず、静寂の中でぞろぞろ移動する姿。自分も含めてゾンビになったみたいな気持ち。

 

 

ここからまるまる1週間、私はホテル療養…いやホテルにおける隔離をすることなりました。それはまたホテル篇でお届けします。

 

おそろしいのは、私に関してはけっきょく今回「どこから感染したのか」がまったく分かってないことです。夫と夫の友人と4人でごはん食べた時かなと思いつつ、日にちが離れてるので友人たちは濃厚接触者判定もされていないし何の症状も出てません。私の日常を振り返っても、むしろ普段よりも表に出ておらず人との接触もない期間だったので、これはもういつどこから不意に感染してもおかしくない状況なんだなと思っています。

 

なのでみなさんもじゅうじゅうきをつけて下さいね…。