星はカシの樹の葉の一しげみ
にひっかかって水面に
うつった虹のうろこの魚の
尾ひれにはじきとばされた 。
その星の宇宙にひろがる
波紋は星座をみしらぬ
無邪気な幼児の天体の
幾何学としてキラキラと
ゆらめく星たちを
たわむれる地球の
ほがらかな幼児の
天体の遊戯盤上とした 。
モーツァルトは自然が
宇宙の音楽になって息づく
宇宙のめざめへ
モーツァルトの肉体が
よびかけて
心臓の鼓動となり
肺の呼吸となったのに
気がついた 。
黒い泉の水面に燃えあがる
炎の神秘の快楽の魂の舞踏は
みいるモーツァルトの
脳髄に宇宙の肉体として
うかびあがった 。
夢みる宇宙肉体のまえに
全自然は生きている
宇宙の記号となって爆発する
光の宇宙でむすびついた
モーツァルトの肉体を
すきとおる物質とした 。
黒い泉の炎の水面に映る
モーツァルトのすきとおる
物質の肉体が宇宙にひろがる
無意識のさざ波の波紋となり
黒くすきとおった全宇宙の
へりに反射して全自然の
光の物質のよろこびとなった
。
全自然からはじきだされた
宇宙記号は真っ白な脳に
かきこまれた宇宙の記憶に
ある宇宙の音階をたどり
宇宙の外へでようとする
うごめく生命の自然の音符
として誕生する 。
モーツァルトの脳で
宇宙が思考していた 。