境界線


長すぎる夜の暗い引力を振り払うように

あてもなく駆け出した

戻れないあの日君とともに笑いあったこと

思い出せないどうやってたっけ

締めつける胸の痛みだけ


おぼつかない歩幅 進んできたけれど

過ぎる時は僕らを置き去りにした

濡れた瞳から涙ひと粒が

その頬をなぞるように落ちた

君と世界の境界線から


夜にさらわれる前に

君と僕の中で重ねよう

むき出しの悲しみを

白い息が混ざる

それは少し高く長く世界にとどまっていた

ただ存在だけを確かめあいたい


遠すぎる光狂おしいくらいに望んでいた

息も止まるほどに

描けぬ理想を夢想しては消して

汚れたページを

グシャグシャ丸め飲み込んで苦悩

チクチク喉に刺さるは煩悩


宝物ひとつでさえおしまいには

運命に取り上げられるとしても

ふた粒めの涙 落ちるその前に

この手で受けたいと願う

やわな僕の境界線で


夜にさらわれる前に

君と僕の中で重ねよう

震える孤独を

白い息が消え

君はまた少し強く吐いて

振り向いたんだ

この存在がいま確かな温もり


足もとに微かに僕らの投影が

頼りなげに浮かぶ

冷たい手つないで重ね合わせたなら

ここは境界線のない世界

夜にさらわれる前に

君と僕の中で重ねよう

むき出しの悲しみを

白い息が混ざる

それは少し高く長く世界にとどまっていた

ただ存在だけを確かめあいたい


むき出しの悲しみを

確かめあいたい

震える孤独を


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