[「プリティーリズム この4年⑤」は,2012年03月31日からの2012年内のプリティーリズム(R)を中心としたキャラクター業界の概要をまとめたものです.]

2012年03月30日の催事「プリティーガールズ ドリームチャレンジ2012」は すべての女性に 嬉しさと喜びに満ちながら閉幕し,翌31日から 普段と変わり無い日常に戻ります.

そして 04月07日からはテレビアニメのシリーズも更新となり,番組名は「プリティーリズム ディアマイフューチャー」となって新たなスタートを飾ります.


(C)T-ARTS / syn Sophia inc.
(C)T-ARTS / syn Sophia / テレビ東京 / PRD製作委員会
(以下同様)

ディアマイフューチャーの主役は,結成したてのPrizmmyの4名を参考にして設定されています.リーダーの「みあ」はじめ「れいな」「かりん」「あやみ」と名前こそ実在の4名と合わせましたが,苗字は別個に設けております.
また,この作品のために 大韓民国に国籍を置く やはり未成年の女性5名を準主役に起用,来日して様々な手解きを習得することとなります.
なお,前作「オーロラドリーム」の主役及び準主役3名も引き続き続投しています.

これに倣うかたちで,同月26日からはアーケードゲームのプログラムも「ディアマイフューチャー」仕様となる一方で,所轄事業者も株式会社タカラトミーアーツ(T-ARTS)に移行されました.


ここでは,まずプレイ上の押すべきボタンが「赤」「青」の他に「同時」に押すべき指示と 長押しについても両方のボタンでトレモロ調に連打で押し続ける肢が追加された機能となったことがあげられます.
そして,単独プレイ時に新たに「プリズムアクト」という プリズムショー中に1度以上「かんぺき」か「サプライズ」のジャンプをした場合,ショーの最終コーダ部分(概ね4度めのジャンプ直後)が途切れて プレイヤーが次のステージに向かって更なるチャレンジに挑むという内容で進行するコーナーへと進むという機能も このバージョンから始まります(したがって4度すべて「かんぺき」か「サプライズ」ジャンプでのみ進める「アンコール」についてはデュオ版のみの対応となります).







プレイヤーは,このゲームのために独自でつくられたドレミ調のバイエル練習曲か「かえるの唄」や「きらきら星」「ちょうちょ」或いはベートーベン作曲「交響曲第9番第4楽章より」などからランダムで選ばれた1つの曲目を,あたかもスピードスケートで滑走しながら いくつものあるハート型のゲート(やはり赤・青・同時の3種類)を通過するタイミングにあわせてボタンを押して行くという内容で 4つの部分に分けて行われたあと,最後に連打と同時押しのフィニッシュで締めくくる内容となっております.

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一方,同月内には,横浜に続いて東京・台場の Venus fort 1階構内にもPrismStone(R)&Dear Crown(R)ショップがオープンしており,同施設にある教会広場ではPrizmmyが随時ミニライブを開催しておりました.


ディアマイフューチャーにリメイクされた後も,プリティーリズムは更なる好調ぶりを魅せてくれました.地方の主要都市にはPrismStoneの支店が次々と開店し,毎週土曜・休日となったりイベントが開催される毎に 筐体の前に多くの女の子や女性で行列のできるほどの人だかりを見受けられた程の勢いにまで業績を伸ばしていました.

ディアマイフューチャーでも5度のシーズンを経由します.

[プリティーリズム ディアマイフューチャー]
>シーズン09「Prizmmy☆デビュー編」

2012年04月26日開始,ストーン全50種
主なレアストーン…「09-S01★ いたずらキャットヘア」「09-S03★ いたずらキャットサロペット」「P-R05★ RONIレイヤードスタイル」ほか
>シーズン10「PURETTYデビュー編」
2012年07月19日開始,ストーン全50種
主なレアストーン…「10-S02★ サマーバカンスセパレート」「10-020★ KISSボーダーTシャツ」「P-D01★ ディアクラウンレースキャミ」ほか
>シーズン11「チームシャッフル編」
2012年09月27日開始,ストーン全60種
主なレアストーン…「11-002★ ローズかんむりヘア」「11-S02★ ハロウィンかぼちゃワンピ」「11-045★ パッションフルーツメイク」ほか
>シーズン12「シンフォニア編」
2012年12月06日開始,ストーン全82種
主なレアストーン…「12-SC01★ きぐるみラビットさん」「P-シ14★ やさしさのシンフォニアトップス」「12-028★ ワインレッドレザーパンツ」ほか
>シーズン13「選抜!総選挙編」
2013年02月14日開始,ストーン全60種
主なレアストーン…「B07-S03★ ピュアホワイトウエディング」「P-C02★ めざめのシンフォニアドレス」「P-C15★ だいちのシンフォニアドレス」ほか

なお,この間の特記事項を申し上げますと,
2012年06月15日より PCとしての機能を充実させつつ モバイルクラブの会員がQRコード(R)を読み取ればコーデが自動登録される「ウェブファッションショー」のサービスを開始,
また シーズン10からは
>様々な条件をクリアーすると(画面内の)ギフトが現れるという「プリズムコレクションページ」を新設,
>スマートポッドタッチとの連動機能の開始や,
>ファンコールの評価が「かわいい」「かっこいい」「たのしい」の3種類に拡張され,
>メモリーパスのデータ移動機能を搭載(この場合 プリズムストーン1個はもらえますがゲームはできません)
このほか,
激レアストーンのシリーズがシンフォニア系だったことや,
シーズン11では 主役及び準主役の9名を3名ずつに分けて「COSMOs」「P&P」「Sprouts」の3チームによるシャッフルユニットの展開も行っておりました.

しかしながら!
その一方で,ディアマイフューチャーを開始した当初から プリティーリズムの周辺では 物騒な状況が 次第に濃厚となって行くのであります.
そのなかでも,株式会社スクウェアエニックスは どえらいものをつくって事実上プリティーリズムに「宣戦布告」を突きつけたのです.
「超速変形ジャイロゼッター(R)」がそれです.



(C)2012-2014 SQUARE ENIX co.,ltd
(C)スクウェアエニックス/ジャイロゼッター製作委員会・テレビ東京
(以下同様)

この事業を立ち上げたのは 同社所属のプロデューサー 市村龍太郎氏です.
女の子の趣味がファッションやミュージックだったのに倣い,男の子の趣味となりそうな自動車とロボットをヒントに開発したものであり,図体のデカい真っ赤な筐体として出現しました.
¥100-入れれば自動車のカードが1枚出る仕組みであり,自動車で「ドライブ」したあと ロボットに超速変形して「バトル」するという流れで組まれております.
自動車のカードは,架空の業者のほか トヨタ・日産・マツダ・三菱・富士重工・スズキ・ダイハツといった大手各社のブランドカーも勢揃いして,いかにも大ブレイクしそうな傾向が強まっていました.
しかし,ふたを開けてみると けっこう想定外以上の貧弱な状態になってしまったのです.


(C)2012 Konami Digital Entertainment
(以下同様)

ちょうどその頃,男の子の間では 上のようなゲーム機器が大ブレイクしつつありました.
「モンスター烈伝オレカバトル(R)」です.
オレカバトルは,これまでのアーケードゲームには考えられなかった
>縦型の9:16HD画面
>印刷済みのカードではなく プリンターを活用してのプリントアウトによるカードの発行
を備えた,全く新しい機能を有する筐体となっていたのであります.

結局,多くの男の子が選んだのは「オレカバトル」のほうでした.
いわゆる「砕け散るまで闘う」という破壊主義を主張しているみたいなジャイロゼッターには 子どもたちの目線で見ても 敬遠どころか嫌悪とされてしまっていたのであります.

ジャイロゼッターが敗北した原因は それだけではありません.自動車カードの参画事業者に本田技研工業が拒否した点とか,さらにはそれを展開している最中にもかかわらず プロデューサーの市村氏が 未だドラゴンクエスト(R)に甘えていた点などがあげられます.



一方で ジャイロゼッターはメディアミックスも展開されており,2012年10月からTXN系で1年にわたって放送されていたアニメが ちょっとした人気を呼んでいました.
なかでも 準主役となっていた稲葉りんね(左)に話題のヒントが集まっていました.
りんねの自動車運転やロボットバトルが苦手な上 フィギュアスケートが特技なのは,プリティーリズムに刺激してのことと考えられます.
もし,りんねがどちらかを選ぶとするなら,明らかに迷わずプリティーリズムのほうに進んでいたに違いありません.
プリティーリズムの技には「イナバウアー」というのはありませんでしたが,りんねが登場していれば ゲーム中にイナバウアーという技も追加されていたかも知れません.

ともあれ,プリティーリズムはジャイロゼッターに対しても「無言の勝利」を果たします.

しかしながら,プリティーリズムのほんとうの危機的氷河期が押しつけられるのは,このあと バンダイナムコ系が開発・登場させた とあるゲーム機材が参入されたときからとなります!

(⑥につづく)