供述調書
住居 金沢市xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx一号室
職業 運転手(市場急配センター(株)勤務)
電話 xx局 xxxx番
氏名 YSN
昭和三七年一二月二八日生(三九歳)
右の者は、平成四年四月八日金沢西警察署
において、本職に対し、任意次のとおり供述した。
一
私は、今言った住居地に妻・子と共に
住み、昨年つまり、
平成三年五月から、
金沢市二口町 にある
市場急配センター株式会社
代表取締役社長
MHK 四八歳
で長距離トラック運転手として
働いています。
二
ところで 今月
四月一日の夜
私の勤める会社の同僚の、
廣野秀樹 二七歳
がやはり、会社の同僚で事務員の
AA 二一歳
を殴り怪我を負わせ、AA
さんは、現在
石川県立中央病院で
入院中で重体
だと聞いておりますが、私自身この
二人が交際する事に関して
廣野秀樹君から
Aさんがすきだけど
どうすれば付き合えるか等
と相談された事がありますで(ママ)
私の知っている事について
話します。
これから先
廣野秀樹の事を
秀樹
それに AAの事を
Aちゃん
として、話します。
三
私が、今の会社で働くようになった
のは、
秀樹の紹介
で働き始めたのです。
と言いますのは、
私と秀樹は、同じ能都町
出身で高校は 私が
石川県立水産高校
を卒業しており、秀樹は、私より
二つ年下で
県立水産高校小木分校
へ通っており、当時、付き合いはあり
ませんでしたが面識がありました。
その後私が学校を卒業した後
金沢で働くようになり、付き
合うようになったのです。
秀樹については、学校を一年生のとき
中退していると思いますが、退
学した理由等知りません
私と秀樹が付き合いをしていたと
言っても 金沢へ出て来た 一〇年位
前の
昭和五七年頃の一年間位の他
三・四年前電話のやり取り
それに現在の会社で 紹介されて
働くようになってからの事です。
四
秀樹が 私に 今の会社を紹介
してくれたのは、昨年つまり
平成三年 五月頃
で当時秀樹には 家庭があり、
奥さんの XXX 二三歳位
四歳と三歳位の男の子二人
の四人家族でしたが、昨年七月頃
離婚しているのです。
離れた理由等詳しい事まで
知りませんが 秀樹からいつ頃だったか
奥さんのXXXさんの
金遣いが乱れていて困る
と言う話しを一度聞いたこと
があります。
又、三・四年位前 秀樹がどうして
いるかと 家へ電話を掛けたとき
XXXさんが 私に
秀樹が家で暴れる
一度会って注意してほしい
と相談された事がありましたが、夫
婦間の事でもあり、聞き流して
います。
五
秀樹とAちゃんの関係ですが
秀樹は 同じ運転手で Aさん
の方は
会社で事務をしている女の子
二人のうち
唯一 若い女の子
で、主な仕事は
経理とコンピュータ操作
が仕事で 私達が朝出勤すると
事務所等で顔を会わせますが
私達運転手からの問い掛け
には、答えますが
Aさんから、話し掛けて
くる
と言った事はほとんどありません
が、
私達運転手の冗談
には、割合、受け答えする等
普通の女の子です。
六
秀樹が Aさんの事が好きだと、
言い始めたのは、確か、秀樹が
奥さんと離婚した後 一,二ヶ月位
すぎた 昨年 つまり、
平成三年八月頃
だったと思います。
私に対し、秀樹が
Aちゃんの事 どう思う
と尋ねたので 私は、当時
かわいいし、良い子だと
思う
けど 彼氏 居るんじゃ
ないか等
と言ったと思います。
ただ Aちゃんに彼氏が居たか
居ないか知りませんが
この頃の若い子で彼氏の
居ない子は、少ないと思い
彼氏が居ると言ったのです。
その後 いつ頃だったか 覚えて
いませんが 秀樹が Aちゃん
の事について 私に
秀樹が自分の車のガラスに
フイルムを貼っていたとき
Aちゃんの方から話し
掛けて来た
と話し 更に
あの子、Aちゃんは 自分の
方から あまり 話し掛け
ないのに、俺れに話し掛けて
来るのは、
俺の事が好きなんで
ないか
と言った事があり、私は、秀樹
に対し
話し掛ける事位、普通やし、
そんな特別な気持ち
Aちゃんにないと思うよ
と言っているのです。
七
昨年八月頃だったと思いますが
秀樹がAちゃんの事について
私に
Aちゃんと付き合うには
どうすればいいか等
と言いますので 私は
いきなり、付き合ってくれ
と言うより、
最初は、食事に誘う等
結論を急がずに Aちゃんに
声を掛ければ良いのではないか
等と言ったのです。
すると秀樹は
俺れには、そんな廻わり、
くどい事は出来ん
と言いますので 私は このとき
そんなら、秀樹に
自分の思う やり方で
やれば良いがいや等
と軽く言ってやったのです。
八
その後の昨年八月中頃だったと思
いますが、秀樹が 私に
Aちゃんに電話で交際
を申し込んだけど
ごめんなさい
と言って断われた
と言い 又、
雑談は話してくれたけど
秀樹が 又電話を掛けても
よいかとの問い掛けに Aちゃんが
別にいいよ
と言ってくれた等
とも話していました。
九
秀樹が私にこんな話しをした後の
一ヶ月位すぎた
九月頃だった
と思いますが
Aちゃんに電話を掛け
ても応対に出ない
母親が出て
毎回 いません
と言われる。
Aちゃんが 今までの
態度と違い 何を考えて
いるか分からない
と話しますので 私は 秀樹に
Aちゃん諦めれば どうや
Aちゃんの気持ちは 秀樹
の方にないんでないか
と言ったものの 秀樹は
Aちゃんは 会社で 顔を
会せても
いやな顔せんし、等と
秀樹は、Aちゃんが自分に好意
を持っていると言った事を言って
いました。
一〇
私は、秀樹にAちゃんの事を
諦めればどうか
と言っても聞こうとしなかった
事もあり、秀樹の方から
私に話し掛けて来ない限り
Aちゃんの事について
話し掛けなかったのです。
私は、このとき
秀樹の性格について
いつまでも 女の事で
はっきりしない
一度断わられているのに
しつこい男だ
と言う印象を受けたのです。
一一
その後の、昨年の暮れ
平成三年一二月二四日
クリスマス
の一〇日位前頃かと思いますが 秀樹
がAちゃんの事で 私に
どうしてもAちゃんと付き
合いたいけど
どうすればよいか等
と聞きますので 私は、秀樹に
そんなにAちゃんが好きなら
クリスマスプレゼントでも
やればどうか、
プレゼントを受け取るか、受け
取らないかで
相手の気持ち分る
と言ったのです。
それで
一二月二四日 朝
だったと思いますが、私が出勤す
ると秀樹が 私に
Aちゃんに プレゼントを渡し
たいけど
事務所に行って Aちゃん
を呼び出してくれ
と言い、渡しは 言うとおり
Aちゃんを呼び出して
やったのです。
このとき秀樹は、会社の駐車場に
居たはずです。
一二
プレゼントをした夜の
午後八時頃
だったと思いますが 秀樹が
渡しの家に電話を掛けて来て
Aちゃんに
ネックレスのプレゼント
したけど
受け取ってくれず
Aちゃんから
こんな高価な物貰っても
何もできない
と言われた
俺は頭に来て その場に
ネックレスを投げつけてきた
と話し、更に
Aちゃんにどうしても
ネックレスを渡したい
変わりに
俺れからだと言って
渡してくれないか
とたのまれたのです。
私とすれば このとき
秀樹が Aちゃんにプレゼント
の受け取りを断わられても
まだ
渡したい
と言うのであれば 仕方ないと考え
わかったと返事したのです。
一三
こんな電話が 秀樹からあって
すぐに
秀樹が私の家に訪れた
事から私は、秀樹に
駄目やったか
と問い掛けると
秀樹は、元気がない様子で
おりました。
ので更に
爆発したんか
つまり、カツとなったんか
と尋ねると、秀樹は
ちょっとな
と元気なく言っていました。
私は、翌日 つまり
一二月二五日か二六日
会社でAちゃんに
秀樹からのプレゼント
と言って渡したのです。
このとき Aちゃんは
びっくりした様子で
事務所に他の者もおり
一言も話さず黙って
受け取り
ました。
一四
私から見た秀樹の性格ですが
今度の
Aちゃんとの交際の事で
思い込みのはげしい男
だと思った他に
秀樹が離れた奥さんに
暴力を振るっていた事について
奥さんから注意してくれ
と言われた事もあり私達の
前では
短気なところは見せません
でしたが
割合 自分中心に考え込み
一直線になる
ようなところもあるのではないか
と思います。
仕事については 他人のいやがる事
でも
いやな顔もせずにやる
真面目な男です。
一五
Aちゃんの性格については、あまり
分かりませんが
自分達が 昼 弁当を買って
来てくれ
と言うと、仕事中でも手を止め
明るい感じで、買って来てくれ
気持のやさしい女の子だと
思います。
私は、この秀樹とAちゃんの
事で この事件が起きる二ヶ月間
位、秀樹からもAちゃんからも
一切相談はうけていません
Aちゃんの体が 一刻も早く
元気になればと思います。
一六
秀樹がAちゃんを殴った 原因
について 私では 分かりませんが
秀樹の思いが Aちゃんに
通じず、秀樹がその場で
頭に血が昇り殴って
しまった
のではないかと思います。
YSN
右のとおり録取して読み聞かせたところ誤り
のない事を申し立て署名指印した
前同日
金沢西警察署
司法警察員巡査橋本登志彦