供述調書
住居 石川県石川郡野々市町XXXXXXXXXXX号
職業 会社員(市場急配センター株式会社)
電話 局 番
氏名 IHK
昭和一六年八月三日生(五〇歳)
右の者は、平成四年四月一〇日金沢市二口町ト七八番地一
において、本職に対し、任意次のとおり供述した。
一
私は、今程言った住居地に家族と一緒に
住み
昭和六三年八月から
金沢市二口町ト七八番地一
市場急配センター株式会社
代表取締役社長 MHK
と言う運送会社の事務員として
働いています。
会社での主な仕事は
一般事務で
給与計算、伝票整理等
をやっています。
二
ところで 私共会社の運転手で
廣野秀樹
が私と同じ事務の女の子
AA 二一歳
を今月つまり
四月一日の夜
殴る等の暴行を振い怪我を
負わせ
現在、AAさんは、石川県立中央
病院へ入院中で
意識がなく、重態
になっていると聞いています。
この二人は、共に会社の同僚で
あり、私の知っている二人の
間柄について話します。
これから先
廣野秀樹の事を廣野さん
AAの事をAちゃん
と言う呼び方で話します。
三
私共会社は、松平社長以下
社員の
トラック運転手 四〇名位
事務員として 女性が
私とAちゃんの二人
です。
四
廣野さんがAちゃんを殴り怪我を
負わせた原因について 先に言い
ますと、私の思うには、
廣野さんがAちゃんに交際を
申し込んだものの
Aちゃんに断わられ
逆上した廣野さんが Aさん
を殴った
のではないかと思います。
と言いますのは、確か、今年つまり
平成四年一月末頃
廣野さんから 付き合って
くれと言って
しょっちゅう電話が掛る
私には、交際している男の人
がいるから迷惑している
と相談され 私は、その後 数回
廣野さんに対し、
Aちゃん好きな子おるんやし、
電話するの辞めたら、
と伝えた事があるのです。
しかし、Aちゃんに本当に交際して
いた男の人が居たのか、聞いていな
いので分かりません。
五
先ず Aちゃんの事から言いますが、
平成二年七月頃入社し 仕事は
私と同じ
事務一般の経理等
です。
真面目で欠勤等した事がなく
仕事以外に無駄口は言わず
落着きがあり、明るい
若い子にしては、自分なりの
考えを持っている様な娘さんでした
又、社内では、特定の男の人に対し
好意を示しベタベタする
と言ったところも見受けられ
ませんでした。
六
廣野さんの事ですが、入社が確か
平成三年六月頃からで 仕事は
長距離トラック運転手
として働いており、仕事面では
無断欠勤等一度もなく
真面目
で人のいやがる仕事でも
文句も言わず やっていました。
性格的に
口数が少なく、又他の同僚と
口論や喧嘩等
もありませんでした。
ただ短気なところがあり、何が
あったのか知りませんが 今年の
一月頃だったと思いますが
何にか早口で怒鳴りながら
事務所のドアを
けり破った
事があり、このとき、私は、廣野
さんは短気な人だと思ったのです。
七
廣野さんがAちゃんに交際を迫って
いると私が知ったのは、昨年つまり、
平成三年一二月二四日の
クリスマスの頃
だったと思います。
月日については はっきり分かりませんが
朝、私とAちゃんが事務所に
居たとき、やはり運転手の
YSNさんが事務所へ来て
Aちゃんに
これ廣野から たのまれて
持って来た
と言って、細長い箱を渡して行った
のです。
このときAちゃんは、YSNさん
に対して
そんなもんいらん
と言った様に覚えています。
私は、このときAちゃんに対し
何んや
と尋ねたとき Aちゃんは
本当にいやそうな顔つきで
私に対して
廣野さんから一度貰ったん
ですけど すぐに
廣野さんに返した
のに、又もってきたんです。
と言って困まった顔をしていた
のです。
Aちゃんは、このとき 私に対し、
それ以上、詳しい事は、話しません
でしたし、又私も立ち入った事
は、聞かなかったのです。
こんな事から 私は 当時
廣野さんがAちゃんに
対し、一方的な好意を
持っている
のだと知ったのです。
廣野さんからの、プレゼントの
中味(ママ)については、
Aちゃんが会社事務所の
机引出の中に入れたままで
聞きません
でしたから、何んだったのか知り
ません。
プレゼントは、一,二ヶ月引出し中に
置いたままだったと思います。
八
その後事務所で仕事中のAちゃん
のところへ 廣野さんが
仕事先の県外等
から、何度となく、電話が
かかり、Aちゃんは
小声で受け答え
していたようでしたが、話しの
内容まで聞こえませんし 又、
私からも尋ねませんでした。
こんな事が 今年、
一月初め頃から中頃
にかけてあった様子でした。
九
それで、この、一月末頃だったと思い
ますが
廣野さんからの電話
の事で 私がAちゃんから
相談を持ちかけられた事が
あるのです。
相談の内容は、
廣野さんから、しょっちゅう、
家等にも電話があり、
私が交際している人が居る
と言っても
何度でもかけてくる
困った。
と言った話しでした。
こんな事から、私とすればAちゃん
かわいそうになり、いつ頃だった
か覚えていませんが、会社で
廣野さんに対して、
Aちゃん 好きな子おるんやし
電話かけるの辞めたら等
と一月末から、三月中にかけて
数回注意した事か(ママ)ありました。
私の注意に対し廣野さんは
うん、分った
今の子 何に考えとるか
分らん等
と言っていました。
又、いつ頃か詳しく覚えていま
せんが今年の一月頃、廣野さんが
Aちゃんに対し、
何事か早口で怒鳴りながら
事務所のドアを出て行くとき
けり破った
事や、三月の中頃だったと思います
が
事務所で仕事中のAちゃん
が電話口で泣き出した
事があり、私は
誰れから
と尋ねたとき、Aちゃんは
廣野さんからです
と一言、言った切り、泣いて
いた事がありました。
こんな頃になると会社の者ほとんどが
廣野さんがAちゃんを
好きになっている つまり
好意を持っている
と言う事を知っていましたが
両方が 好意もっているのなら
ともかく
廣野さんの片想い
であり、私の居る事務所で
はからかう事等一切ありませんでした。
一〇
事件のあった日の事ですが
四月一日午後五時すこし前頃
だったと思いますが、事務所で
私と、事務の
UHK 四四歳
それに
Aちゃん
の三人が居たとき
廣野さん
が数回事務所に入ってきて
最後に来たとき Aちゃんの
机の前に立ち Aちゃんに対して
早口の小声で
何事か話した
のです。
それで、廣野さんが 出て行って
すぐに私が Aちゃんに
どうしたん
と尋ねると
下に待っている
と、廣野さんに言われた
と言ったのです。
それで 私や、UHKは
これまでの廣野さんが示した
Aちゃんへの態度や
廣野さんの、このときの
様子が
どことなく元気がなく
また、
思い詰めた感じの表情
であった事から
UHKがAちゃんに
二人の間に入って
やるか
と言ったのですが、Aちゃんは
今度で、はっきり
させます。
つまり
廣野さんからの交際
申し込みを断わります。
と言ったのです。
それで 私やUHKは、
Aちゃんに対して
廣野さんと一緒の車に
乗ったら だめやぞ等
と話すと Aちゃんは
分かりました
と答えていました。
Aちゃんが事務所を出て
行った時間は
午後五時丁度
ではなかったかと思います。
一一
私の廣野さんに対する現在の
気持ちですが
私自身、Aちゃんの事で
廣野さんに対して
Aちゃん すきな子いるし、
諦めたら
と言った内容の事を話したのに
しつこくAちゃんに交際を
迫まり 断わったAちゃん
に暴力を振い
生き死にまでかかわる
怪我を負わせた事は許せま
せん
又、Aちゃんが廣野に呼び
出されたとき 私や UHK
が一緒に行ってやれば こん
な結果には、成らなかったので
はないかと思い残念でなり
ません。
せめてAちゃんの怪我が
一刻も早く回復してくれれ
ばと思う次第です。
IHK
右のとおり録取して読み聞かせたところ誤りの
ない事を申し立て署名押印した
前同日
金沢西警察署