1995年3月20日月曜日

前日の日曜日と翌日の春分の日の間に挟まれた

けだるい朝に

 

丸の内線 日比谷線 千代田線で

新聞紙に包まれたサリンの袋を

三人の男が雨傘で

突き破り遁走した

 

オウム真理教の地下鉄サリン事件は

換気しづらい地下鉄を狙った

極悪非道な

無差別テロだった

 

本書はこの事件の被害者に

インタビューした内容を

記録したもの

 

当日たまたまその電車の

その車両に乗り合わせてしまった人

また

べっとり濡れた車両の床を

職責から進んで

処理をした職員が

被害に会いました

 

14人死亡

6300人負傷の

戦後最大のテロ事件です

 

 

再び読んでみても

当時の消防警察の

パニック状況が手に取るようにわかります

 

結局

パニック状態での

公的機関の救済処置は

難しいというか

どうにもならない状況に陥ってしまうのだなと

感じます

 

また

94年6月には松本サリン事件があり

95年元旦には読売新聞が上九一色村での

サリン残留物発見報道がスクープされているにもかかわらず

警視庁公安の動きは

あまりにも遅く事件を防げなかった

 

今思えば

なぜ防げなかったのかと

とても歯がゆいく思いますが

当時は様々なバイアスがかかって

初動が遅れたのかもしれません

 

 

今日も

都会では

何事もなかったかのように

地下鉄は走り続けていますが

日常と非日常は紙一重で

なにかのさじ加減で

どちらにも転んでゆくものなのだと

思うのです